2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on mechanisms of the development of Joint disease focused on microstructure of articular cartilage
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19K20682
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| Research Institution | Kindai University |
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Principal Investigator |
大澤 恭子 近畿大学, 生物理工学部, 助教 (30638193)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 関節軟骨 / 動的局所変形 / 放射光位相差CT / 粘弾性特性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症等に代表される関節疾患は，高齢化に伴う患者数の増加が危惧されるため，早期発見および予防策の実現が急務である．本研究は関節軟骨の微細構造に基づく力学モデルを用いた関節の数値解析を行って骨力学環境への影響を定量化し，軟骨の力学特性変化に起因する関節疾患の発症・進展メカニズムの解明を目指す．
初年度は，微細構造に基づく軟骨力学モデルの入力データとするため，軟骨内部の詳細な密度分布をタルボ干渉計を用いた放射光位相差CTシステムを用いて計測した．食用ブタの膝関節軟骨から採取した試験片を用い，放射光位相イメージングを用いて周期的な繰り返し負荷を与えた関節軟骨の局所的な組織変形を観察した．試験は，静的圧縮（最大ひずみ10%）と，繰り返し圧縮を与える動的圧縮（ひずみ振幅：10%，周波数：0.4Hzと0.8Hz，荷重―除荷後に休止する断続的な三角波）の2種類行った．結果として，関節軟骨内部の不均質な密度分布を詳細に撮像できただけでなく，軟骨表層，中間層，深層における分布像はそれぞれ違いが見られた．
関節組織の中でも荷重や衝撃を緩和する関節軟骨の力学機能の本質は粘弾性といえる．軟骨の粘弾性特性を簡便に評価するために，押し込み試験機を設計・作製した．本試験気を用いて押し込み圧子形状や，圧縮条件の検討，荷重-変位の粘弾性挙動の取得が行えるようになった．
骨病変を評価する上で重要となる骨強度の情報を得るために，CTによる骨密度分布に基づく骨の不均質な力学特性分布を力学モデルに組み込むための数値解析システムを導入した．
以上の結果から，関節軟骨の微細構造に基づく軟骨力学モデルを用いて，軟骨力学特性の変化が骨力学挙動に及ぼす影響を評価するための数値解析システム構築の準備が整った．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は３年計画であり，初年度で予定していた股関節モデル作成のための(1)微細構造に基づく軟骨力学モデルに入力するための軟骨内の詳細な組織組成分布データの収集・蓄積，(2)骨の不均質な力学特性分布の数値解析への利用手法の確立の目途が立っている．
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| Strategy for Future Research Activity |
放射光位相イメージングによって得られた密度分布から圧縮による局所変形の実測データが得られる．圧縮前後の密度分布画像から局所変位を求めるための非剛体レジストレーション手法を確立し，微細構造に基づく軟骨力学モデルによって再現された軟骨局所組織変位場の検証に役立てる．
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| Causes of Carryover |
微細構造に基づく軟骨力学モデルを用いた粘弾性特性評価の妥当性検証をより強力にするため，初年度の導入を予定していた有限要素解析ソフトAbaqusに代わり，軟骨粘弾性試験が実行できる押し込み試験機作製，および妥当性評価用標準試験片としてゴム・プラスチックを用いた関節軟骨モデルを試作したため，差額が生じた．
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