2020 Fiscal Year Research-status Report
脆弱X症候群モデル神経細胞における活動パターンの多様性とその応用
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19K20683
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
矢田 祐一郎 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 特別研究員 (80805797)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脆弱X症候群 / 神経細胞 / 神経同期活動 / パターン解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
脆弱X症候群(FXS)は遺伝性の疾患で、学習障害やワーキングメモリ機能の低下などの認知障害を生じる。しかし、その疾患メカニズムは未だ詳しくは分かっていない。本研究では、脆弱X症候群の神経細胞集団では先行研究で報告されている発火率の上昇に加えて、神経発火活動パターンに異常が生じているという仮説を立て、脆弱X症候群患者iPS細胞由来の神経細胞の活動を計測・解析し、健常者iPS細胞由来神経細胞の発火活動と比較することで仮説を検証する。また、神経発火活動パターンを改善しうる薬剤の探索をすることを目指している。 今年度は本研究課題の二年目として、昨年度に基礎特性評価を実施した健常者・脆弱X症候群患者由来iPS細胞株、およびそれらから誘導した神経細胞を使用して、多点電極アレイでの電気生理計測系の検討・計測を実施した。多点電極アレイはアレイ状の平面電極群上に細胞培養ができるもので、神経細胞の発火など電気生理活動を複数の細胞から捉えることが可能である。脆弱X症候群患者由来の神経細胞は健常者由来神経細胞に比べて高い発火率を示し、先行研究で報告されていた脆弱X症候群神経細胞株での発火率上昇が本研究で使用する細胞株でも認められた。 また、一般的な多点電極アレイでは2次元の計測対象から電気生理計測が可能であるが、観測したい表現型を鑑みて、3次元の計測対象に対して電気生理計測をするための実験系の構築および計測試験を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電気生理実験系の構築・基礎的な評価が実施できたものの、コロナウイルスの影響により所属機関が一時閉鎖となり、実験系を停止したことにより当初の計画よりも遅れが出たため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の遅れを勘案し、ハイコンテントイメージングシステムでのカルシウムイメージングではなく電気生理実験系からの結果で研究成果の取りまとめを行う。計画されていた多点電極アレイによる計測に加えて3次元での電気生理計測も検討する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスによる実験系の一時停止およびグローバルサプライチェーンへの影響により、調達できない物品があったため。調達できなかった物品を次年度に順次調達する。
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