2020 Fiscal Year Annual Research Report
高感度ナノバブル検出を目的とした低音圧超音波イメージング
Project/Area Number |
19K20706
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
江田 廉 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (40734273)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超音波援用ドラッグデリバリシステム / ナノバブル / 高感度検出 / パルスインバージョン |
Outline of Annual Research Achievements |
微小気泡を用いた超音波援用ドラッグデリバリシステム(US-DDS)の展開において、ドラッグキャリアとして使われる気泡は従来のマイクロバブルに替わり次世代型バブル製剤であるナノバブルの使用が期待されている。しかしナノバブルはマイクロバブルに比べ超音波に対する応答感度が低く、治療効率向上のためには高感度な検出法の開発が必要になる。本研究では、研究代表者がこれまでに開発した気泡からの2次超音波信号の波動逆伝播に基づく映像化法を基盤とし、従来のパルスインバージョン法の体動ノイズに弱いという欠点を克服した高感度化を図る手法を創出することで、ナノバブルの高感度検出の新展開を生む画期的な映像系を実現する。 2020年度は以下の研究を行った。2019年度の研究成果を展開し、可視化システムのナノバブルへの適用および生体応用を見据えた実験に取り組んだ。ナノバブルへの適用では、マイクロバブルとの比較により、超音波遮蔽効果の違いによる信号の空間分布特性を示した。さらに生体応用を見据えた実験として、蛍光顕微鏡光学観察システムを組み合わせることで、本手法で得られる結果の解析項目と生体効果が相関を示すパラメータについて統計的に評価した。本手法では高感度検出により気泡破壊を伴わない照射後半フレームからの微弱信号検出が可能であり、細胞に取り込まれた蛍光色素と気泡ライフタイムについて比較した結果、気泡破壊に至らず割れ残った気泡クラウドからの信号振幅が細胞への生体作用と関連する可能性を示した。本手法を活かした微弱信号検出がフィードバックシステム構築に有効であることが示唆された。
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