2021 Fiscal Year Research-status Report
Medical image interpretation support system based on appearance transformation of images
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19K20709
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 詩子 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(RPD) (70707405)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 画像変換 / 多装置 / MRI / 敵対的生成ネットワーク / Cycle GAN / 機械学習 / スパース推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、撮像装置や撮像時期の異なる生体画像の画像間のわずかな見た目の違いを変換して合わせる手法を開発し、医師による読影を支援する技術の開発を目的としている。多くの病院で非侵襲的に生体内を観察できるMRI装置による画像診断が導入されているが、MRI装置は病院ごとにメーカーや特性が異なり、また一つの病院内で複数の装置を導入している場合もある。撮像装置が異なると、同様の撮像シーケンスで撮った画像でも、コントラストや色味や滑らかさといった画像の見た目がわずかに異なるため、医師の読影ストレスの増加を引き起こしている。そこでこの画像の見た目を均質にし、読影をサポートする技術の開発が望まれている。 本研究課題での困難な点は、見た目を変換したい画像同士が非常に似ており、差がごく小さいことにある。見た目が似ている画像をベクトルに変換すると相関の強いデータとなるため、その相関に対峙するためには、スパース性に基づいたL1ノルム等による正則化だけでは通用しない。その事実に注目してベクトルを束にした行列を潜在空間におけるベクトル群に分割することによる回帰手法 Partial Least Squareに注目した。この方法を適用することで相関の強いデータであっても、画像の特徴やベクトルの構造を抽出することができることを事前の人工データによる試験を経て確認した。 研究協力者とのミーティングや研究室でのデータ解析が当初の予定通りに行えなかったコロナ禍の状況により、研究の進行は遅滞を招いたものの事前の準備を入念に行ってきたため、今年度以降のデータ取得と解析の連関性により本研究計画を遂行する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため研究室における研究活動を通常通り進めることが難しかったため、スパース推定による重要な要素の解析が充分に行えなかった。 今年度は、スパース推定による重要な要素の解析プログラムの作成に関して、関連する他のプロジェクト研究「Spatio-temporal reconstruction of substance dynamics using compressed sensing in multi-spectral MRSI」における研究の進捗が良好であったことから、相補的なプログラムの作成が可能となり、本年度中に行うことができた。 しかし実際に解析を行う中で直面した課題として、見た目が似ている画像をベクトルに変換すると相関の強いデータとなるため、その相関に対峙するためには、スパース性に基づいたL1ノルム等による正則化だけでは通用しない。その事実に注目してベクトルを束にした行列を潜在空間におけるベクトル群に分割することによる回帰手法 Partial Least Squareに注目した。この方法を適用することで相関の強いデータであっても、画像の特徴やベクトルの構造を抽出することができることを事前の人工データによる試験を経て確認した。 今年度も引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により、研究協力者とのミーティングや研究室でのデータ解析が当初の予定通りに行えず、研究の進行は遅滞を招いたものの事前の準備を入念に行ってきたため、今年度以降のデータ取得と解析の連関性により本研究計画を遂行する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度に構築したスパース推定による重要な要素の解析プログラムと、予備実験で構築した回帰手法 Partial Least Squareに関するプログラムを駆使して、MRI画像のわずかな見た目の違いを効果的に変換する手法を構築する。さらに病気の初期画像と病気の進行後の画像との間での見た目変換により、病気の初期段階では見つけることの難しかった異常を見つけやすくする技術の開発に取り組む。医師が無意識に着目している診断にとっての画像の重要な点をスパース推定により明らかにすることで、これまでの事前に既知のパラメータだけでは説明の困難であった画像部位に注目した変換ができる可能性がある。また、回帰手法Partial Least Squareにより画像同士が似ている部分に引きずられずに、わずかな違う部分にフォーカスして効率的に画像変換できることを期待する。 コンピュータが単独で異常部位を検出するのではなく、画像全体の見た目を医師が読影し診断しやすい画像へと変換するようにコンピュータがサポートすることにより、診療に役立つ高い精度で実応用できる可能性が高まる。それらの結果について、学会発表および投稿論文の作成を目指す。
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Causes of Carryover |
(理由)本年度に得られた研究成果について内容をまとめて論文誌への投稿を準備中であるが、論文誌への掲載には至らず論文誌に掲載されるのが次年度となった。したがって、論文の論文誌への投稿料および論文投稿に関わる費用を次年度に繰り越す必要が生じた。また、本年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため研究室における研究活動を通常通り進めることが難しかったため、研究協力者とのミーティングやデータの解析が予定通り行えなかったことから、それらの費用を次年度に繰り越す必要が生じた。 (使用計画)本研究成果の論文誌への投稿料および論文投稿に関わる費用に使用する。また、本年度に行えなかった部分の研究協力者と共同したデータの解析を次年度さらに行うため、それらの費用に使用する。次年度も引き続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策が必要となることが想定されるため、感染拡大防止対策を講じた上で研究課題を完遂するために必要な物品などの費用にも使用する。
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Research Products
(4 results)