2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a thrombus monitoring system by comprehensive evaluation of information from multiple sensors using artificial intelligence
Project/Area Number |
19K20726
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
森田 伸友 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (90807554)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 血栓 / モニタリング / 光センサ / マイクロセンサ / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
ECMO等の体外循環において, 依然として問題となっている血栓や出血を防ぐことを目的として、血栓の早期発見と自動・定量評価に向けた光学式血栓センサの研究開発を行った。血栓の早期発見のためには, より小さな血栓を検出可能な高い検出感度が重要であるため、血液回路各所の形状や血流動態に最適化した血栓センサを開発することが理想である。しかしながら、各所それぞれに対して個別の最適化を行うことは実際の開発においては現実的ではない。 そこで本研究では各所に最適化されたセンサを開発する代わりに、多数配置された1種のセンサ信号に機械学習を適用することで、センサ開発期間を短縮しつつ高い血栓検出感度を達成することを狙った。多様な形状をもつ各血栓リスク箇所への設置性を担保すべく、センサ素子サイズ3 mm x 3mm x 0.75 mmにフレキシブルフィルム配線を施した超小型・光学式血栓センサを開発した。ECMO回路を簡素化したin-vitro試験系のポンプ及びチューブに血栓センサを設置し、これらの信号強度を比較することでポンプ内の血栓形成をリアルタイムモニタリングを達成した。信号強度の比較には各センサ設置箇所における反射光強度が用いられ、特に810nm付近の近赤外光が血栓検出に有効であることが示された。更に、十分に抗凝固された状態である試験開始時のデータを学習データとして試験中のデータの判定を行ったところ、血栓形成時に異常判定がなされ機械学習による判定の有効性が示唆された。反射光強度の比較による方法と機械学習による方法の優位性については更なるデータ取得の上で検証を行っていく必要がある。本成果は機械学習による新たな医療機器開発の一例を示すものであり、今後の医療機器開発の加速に寄与するものと考えている。
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