2020 Fiscal Year Research-status Report
Risk assessment of bronchoalveolar lavage and development of novel bronchoalveolar lavage method using a balloon catheter
Project/Area Number |
19K20727
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安部 光洋 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10769623)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 気管支肺胞洗浄 / バルーンカテーテル / 間質性肺炎 / 急性増悪 |
Outline of Annual Research Achievements |
【①気管支肺胞洗浄の危険性探索】当院における過去の症例について急性増悪を発症した患者の危険因子について検討した結果、GAP stage進行例、CRP高値、BAL回収率低値がそれぞれ独立した危険因子となっていた。既報でも進行例やCRP高値例で急性増悪を発症しやすいという報告があるが、BAL回収率低値が急性増悪発症危険因子であるということは報告されていないため非常に重要な意義を持つと考えている。本論文は2021年2月にAdvances in Respiratory Medicineにacceptされた。 また回収率が悪いことが急性増悪発症の危険因子となっていたことを踏まえ、さらに研究を発展させどのような患者で回収率が悪くなるのかを解析した。その結果、洗浄部位や低呼吸機能例で回収率が有意に悪くなることが分かった。こちらに関しては2021年4月現在The Clinical Respiratory Journalに論文投稿中である。 【②バルーンカテーテルを用いた気管支肺胞洗浄法の開発について】実臨床において「バルーンカテーテルを用いたBAL法」の有用性を実証することを目的としている。2019年度には当院における臨床倫理審査委員会の承認を受け、UMINに登録の後臨床試験を開始した。新型コロナウイルス流行の影響で患者登録が遅れたものの2020年12月で試験を終了した。現在データ解析を行い執筆作業を進めている。 【③BALが急性増悪を引き起こす基礎的研究】上記①②と並行して、2020年度より研究に取り組んでいる。急性増悪の際のバイオマーカーについての探索を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①は気管支肺胞洗浄の危険性探索は3年間かけて、②は2019年度にパイロット研究の症例登録までを完了する予定でした。③については2020年度より取り組み始めました。 ①に関しては順調に進んでおり危険性探索因子の報告ができそうです。②に関しては症例登録に時間を要しましたがすでに試験は終了し論文執筆に向けてデータ解析を行っている段階です。③については①②に比較して遅れていますが、3年目に集中して取り組む予定です。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度中に2論文をpublishできるものと考えています。またパイロット研究についてもデータ解析・執筆作業を進めてまいります。 さらに残りの期間でもう一つの研究課題である、基礎的な部分での急性増悪発症のメカニズムおよびバイオマーカー探索を進めていく予定です。
|
Causes of Carryover |
基礎的研究については2020年度より取り組んでおり、当初の予定よりも開始時期が遅れたため予算の使用額が少なくなっています。ただ、基礎的研究については2021年度集中して取り組んでいく予定です。基礎実験での物品費など最も研究費用がかさむ部分でもあり、繰り越した資金を用いて当初の予定通りの研究を進めていくつもりです。
|