2019 Fiscal Year Research-status Report
Associations between quality of clinical research and factors within / around researcher from the view of environment and psychology
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19K20730
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐藤 俊太朗 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (20738926)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 臨床研究 / 臨床研究の質 / 教育効果 / 研究数の推移 |
Outline of Annual Research Achievements |
人を対象とする医学系研究に関する倫理指針や臨床研究法の施行により,臨床研究を取り巻くガバナンスの向上が期待されている.一方で研究者の負担は増加しており,臨床研究実施の際の臨床研究の質は研究者ごとにばらつきが見受けられる.本研究では,(1)上記施策が研究者に与えた影響を評価し,(2)臨床研究の質に研究者を取り巻く環境要因・研究者自身の心理的要因がどのように関連するか評価する. (1)施策が研究者に与えた影響の評価:施策が研究者に与えた影響を,臨床研究登録システムjRCTおよびUMIN-CTRに登録された研究の数を時系列データと捉え評価する.UMIN-CTRに登録されたデータはデータセットの形で取得可能であった.一方,jRCTに登録されたデータはデータクレンジングおよびスクレイピングを用いて取得した.2019年度にjRCTに登録された研究の属性について記述学的な報告があるが,手作業でデータを取得している.本研究ではPythonを用いてデータを取得するため,再現性に優れる. (2)臨床研究の質に研究の属性,研究者を取り巻く環境要因,および研究者自身の心理的要因がどのように関連するか評価:2015年8月から17年11月までに長崎大学病院の倫理委員会に受理された483件の臨床研究を対象とした.臨床研究の質は,臨床研究倫理委員会前におこなう臨床研究センターでの事前チェックシステムを用いて定量化した.事前チェックでは,研究者から申請された研究計画書を内容や体裁を含めてチェックをおこなう.この数を臨床研究の質の代替エンドポイントとした.研究の属性は,研究の介入の有無や侵襲の有無等である.環境要因は研究者の性別,年齢等である.心理的要因は本学教職員に対し,毎年実施するストレスチェックとした.尺度を使って性格を測定することも検討したが協力が得られる可能性が低く,既に情報のあるストレスとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,(1)施策が研究者に与えた影響を評価し,(2)臨床研究の質に研究者を取り巻く環境要因・研究者自身の心理的要因がどのように関連するか評価する. (1) 施策が研究者に与えた影響の評価(予定通り):臨床研究法は2018年4月に施行された.2018年度は移行期間でもあったため,2019年度までの2年間を解析対象とする.当初の計画通りPythonでのデータ取得プログラムは2019年度中に完成し,データの取得を2020年度はじめにおこなう.
(2)臨床研究の質に研究者を取り巻く環境要因・研究者自身の心理的要因がどのように関連するか評価(やや遅延):研究者自身の心理的要因を健康診断で実施するストレスチェック項目を使うことにした.2019年度9月までに倫理審査が終了する見込みだったが,関係部署に調整し,倫理審査が終了したのが2019年度2月になった.倫理審査承認後速やかにデータを取得し,これから解析・論文執筆をおこなう.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,(1)施策が研究者に与えた影響を評価し,(2)臨床研究の質に研究者を取り巻く環境要因・研究者自身の心理的要因がどのように関連するか評価する. (1) 施策が研究者に与えた影響の評価:2020年度9月までには論文を投稿し,2020年度中の採択を目指す. (2)臨床研究の質に研究者を取り巻く環境要因・研究者自身の心理的要因がどのように関連するか評価:2020年度9月までには論文を投稿し,2020年度中の採択を目指す. また研究者への教育介入効果に対する研究も実施しており,2020年度中の論文投稿を目指す.
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Causes of Carryover |
3月に科研費を利用する出張を予定していたが,新型コロナの影響でキャンセルとなったため.2020年度受領分とあわせ,論文投稿および校正費に利用する予定である.
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