2019 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of animal hemorrhage model and assesment of efficiency of novel hemostat
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19K20732
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
有馬 大紀 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10817729)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 止血剤 / ゼラチン |
Outline of Annual Research Achievements |
止血効果の検証について:ラット肝臓・ラット大腿静脈をもちいた出血モデルを作成し、コントロール・既存止血剤・新規止血剤との比較検討を行った。コントロールと比較し、新規止血剤は出血停止までの時間を短縮できることが確認され、また既存止血剤と遜色ない止血効果を得た。今後は、ラットの血圧をモニタリングしながら、より安定した条件での出血モデルを作成し、止血効果の検証をさらに確実にしていく予定である。
組織適合性について:ラット皮下に止血剤を包埋し、生体反応性を確認した。一部の成型剤では、高濃度で炎症反応が蜂起される可能性が示唆され、今後の止血剤開発において、有用な情報となった。また、同剤の安全濃度も検討し、今後の止血剤組成決定のためのデータを得た。
学術活動・広報活動:上記の結果についてはBiomedilcal Forum2020で発表し、今後は2020年12月、グラスゴーで開催予定のWorld Biomaterial Conferenceでも発表予定である(abstract提出し、発表の承認済み)。また、当止血剤に関する特許は5報申請し、受理された。BS-TBS番組「未来の起源」でも当止血剤について報道され、広報活動も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画のとおり、令和元年度には出血モデルの確立・新規止血剤の操作性や止血機能の確認ができた。令和元年度には新規止血剤の臨床的効果をある程度検証できたため、次年度については科学的特性や物理的特性をさらに研究し、生体適合性の再確認・血小板との反応について確認を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
よりよい止血機能をもつ止血剤について、形態や配合物などをさらに改善しながら、令和元年度に作成した出血モデルを用いて、効果を判定していく。また、生体適合性について、短期の反応を確認したが、今後は長期の生体内留置を行い、適宜、生化学的検査を行いつつ、より臨床に近い形で、剤の反応性を確認する。 また、剤と血小板の反応について、電子顕微鏡などをもちいて、相互のinteractionがどのように起きているのかを確認を予定する。最終的な剤については、LC-MSなども検討し、止血剤の科学的特性についても検討を行う予定としている。
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Causes of Carryover |
研究を推進するうえで、高額な試薬は本年度使用するに至らず、動物実験が主体であったため、人件費も要さなかった。次年度以降は、基礎的な検討(試薬の購入・基礎試験の外注など含む)を行う予定でかつ、国際学会にも出席予定であるため、本年度以上の予算を要する見込みである。
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Research Products
(4 results)