2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of animal hemorrhage model and assesment of efficiency of novel hemostat
Project/Area Number |
19K20732
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
有馬 大紀 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10817729)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 止血材 / ゼラチン / 架橋 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規止血剤開発における止血機能評価の主要項目となる動物実験について、ラットを使用した動物実験モデルを作成した。ラットにおける出血実験の際に、血圧が低い場合には出血量が少なく、止血までの時間が短くなる傾向があったため、頸動脈圧測定カテーテルを挿入し、血圧を持続的にモニタリングしながら出血実験を実施するシステムを構築した。また、大腿静脈穿刺を小出血、総腸骨静脈穿刺を中出血、下大静脈穿刺を大出血と見立てることで、さまざまなvariationの出血モデルを構築した。 止血材の機能評価としては上記の出血実験をもとにコントロールと比較し、新規止血材を使用することでコントロールよりも出血時間が短くなることが示された。また、生体適合性を確認するために皮下埋没試験を実施した。埋没試験では、肉眼的な炎症の経過や吸収過程を確認し、1.2.4週の時点でそれぞれ摘出してHE染色にて周囲組織の状態やコラーゲンの状態を確認した。コラーゲンは大きな炎症反応を示すことなく約4週間で吸収され、良好な生体適合性が確認された。 そのほか、物理学的特性の確認のため、架橋したコラーゲンを電子顕微鏡で観察した。SEMでの観察では、架橋していない場合のコラーゲンが硬く、直線状に配列している一方で、架橋したゼラチンはランダムなコラーゲンの配列のまま固まっており、本止血剤と組織との接着性が高い可能性があることが示唆された。また、sonoclotを用いた検査では、ゼラチンの架橋が速やかに進行することをreal timeで確認できた。 上記の通り、当初研究の目標であった動物実験モデルの作成及び、止血機能の確認、臨床上の操作性に関わる物理特性の確認が実施でき、本止血剤を臨床に使用する上での基礎的なデータを揃えることができた。
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