2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of low back pain factor by visualization of work load using new non-invasive measurement technology
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19K20744
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Research Institution | Tomakomai National College of Technology |
Principal Investigator |
土谷 圭央 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 助教 (30824502)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 非侵襲計測 / 計測システム / FEM / ウェアラブルデバイス / X線画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
腰痛の原因究明は難しく,腰痛の8割は要因を特定できていない.このため,これまでの腰痛予防としては作業管理や業務管理が行われてきた.一人によって腰痛の要因である腰部負担が異なる.このため,個別の対応を行うために定量的に腰部負担計測することは必須である.しかし,運動中の各腰椎と仙骨の位置・姿勢などの幾何学的特性の情報である腰仙椎アライメント計測は困難であるため,容易に腰部負担を計測することができない.そこで,本研究では腰部を中心とする新たな非侵襲的内部負担計測システムを構築する.構築したシステムを用いて人体内部の影響を考慮した腰部負担と動作の関係の解明を目指す. 1年目では,腰部における椎体姿勢変化による腰部負担への影響の解明を進めていく.これまでの研究で,静的な運動に着目して椎体姿勢変化による腰部負担の研究を進めてきた. 非侵襲的に計測するために,腰部を中心とした様々な動作を計測し,動作を計測するのに足りうる計測箇所を選定した.その結果をもとに,非侵襲的内部負担計測システムの改善を行った.動作中の腰仙椎アライメントを表現するための3次元幾何学モデルと,腰部負荷を求めるための腰仙椎の動力学モデルを構築するために,姿勢変化における腰仙椎アライメントの変化を捉えるために,複数姿勢のX線画像を取得した.取得データから腰部負荷解析をするために,腰仙椎のFEM解析を行い,個人差の影響の解析を行った.解析結果からセンシング物理モデル構築を行うためのパラメータや物体特性の評価を行った. 個別に作業中の腰部負担を実作業空間で計測することを考え,解析結果ら非侵襲的内部負担計測システムのための,センサ選定と配置最適化を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腰部における椎体姿勢変化による腰部負担への影響の解明を進めていく.複数人の複数姿勢のX線画像を取得し,姿勢と腰仙椎アライメントの関係についての解析を行った.解析結果を元に,各姿勢における圧迫力と各椎体姿勢を定式化することが行えた.直立姿勢から最大前屈姿勢までの間に,椎間板にかかる圧迫力が低下する前屈姿勢があることが分かった.撮影したX線画像を元に,各姿勢における椎体及び椎間板におけるFEMを用いて解析を行った.しかし,被験者数が10名以下のため個体差による影響を受けている.このため,より被験者数を増やす必要がある. また,動作中における腰部負担計測を行い開発中のウェアラブルセンサシステムの精度検証を進めた.これらの研究結果から個別に作業中の腰部負担を実作業空間で計測することを考え,解析結果ら非侵襲的内部負担計測システムのための,センサ選定と配置最適化を行った. このため,腰仙椎アライメントを考慮した腰部負担計測のための非侵襲なウェアラブルシステム構築を進めることが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果を元に,非侵襲的内部負担計測が可能となるウェアラブルセンサシステムの開発を進める.ウェアラブルセンサシステムと腰仙椎の3次元モデルを組み合わせることで,非侵襲な腰部負荷推定のためのウェアラブルセンサシステムを構築する.この時,記述十分な簡易モデルを利用し,計算コストを.構築したシステムの評価は,既存のモーションキャプチシステム等と同時に計測し行う.計測した動作データを用いて,筋骨格動力学シミュレーションの結果と比較し,作成したモデルを評価や,従来研究の生体実験結果を利用し,腰部負荷の推定結果を評価していく. また,開発を進めているウェアラブルセンサシステムを用いて,実作業空間の腰部負担を計測する.介護従事者の大多数が腰痛を罹患しており,腰痛要因は多岐にわたっているため,まず初めの計測対象として介護業務従事者を考える.腰部負担の高い動作である移乗介助動作等を計測することを目指す.実際の移乗動作を計測データから,腰部負担値や動作の解析する.腰部負担と作業の関係性から腰痛要因を解析するため,腰痛に対するアンケート調査を行うように準備を進める.これらのデータが取得され次第,腰痛と動作の関係性を解析を行う.また,これまでの結果をまとめ,論文執筆を行う.
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Causes of Carryover |
当初参加を予定していた,学会がオンライン開催となったため旅費が発生しなかった. 次年度使用額の使用計画としては,構築を進めているシステムの改善のための物品購入に計上する.
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