2021 Fiscal Year Annual Research Report
個人の歩行特性とユーザビリティを考慮した装具選択支援システムの開発
Project/Area Number |
19K20748
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山本 征孝 東京理科大学, 理工学部機械工学科, 助教 (10837470)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 短下肢装具 / 歩行解析 / リハビリテーション / バイオメカニクス / 福祉工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中の発症により身体機能が低下した者は運動麻痺や感覚障害などにより歩行困難となりやすい.短下肢装具の使用は歩行機能の改善に極めて有効であるが,個々の患者に応じて客観的に短下肢装具を選択する手法やそのための評価機器は現段階では存在しない.この問題は病院などの医療現場のみでなく装具の再処方に携わる市町村などの行政サービス現場においても大きな課題である.本研究の目標は個々の装具使用者の動作能力,生活状況に応じて客観的な装具の選択を支援するシステムを考案して人々の健康寿命の延伸に役立てることである. 本研究では第一に,評価用の装具とマーカレス動作解析装置を作成し,その精度を検証した.評価用装具のトルク特性を確認し,現状使用されている装具のトルク特性との類似性を確認した.また,歩行動作計測用のマーカレス動作解析装置を作成した.精度の検証には高精度の歩行解析機器である3次元動作解析装置と比較して歩行中のパラメータの誤差を評価した.その結果,提案した手法は3次元動作解析装置と類似した結果となり,歩行解析機器として実用的な段階まで達することができた. これらの作成した短下肢装具,マーカレス動作解析装置を用いて,健常者のみでなく脳卒中患者を対象とした計測も実施した.脳卒中患者の歩行中のデータから,最適な装具のアシストを提案するような支援システムを実現することができた.これらの結果は現在国際会議や論文に投稿中である.本研究はリハビリテーションにおける治療法の改善や客観的な評価指標の確率,新しいアシストデバイスの開発などに繫がる可能性もあり,その意義も高いと考えられる.
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