2018 Fiscal Year Annual Research Report
ALS患者の経口摂取延伸を目指すPAP療法最適期間の解明
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16H07002
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平岡 綾 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (60781812)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2020-03-31
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Keywords | 最大舌圧 / 筋萎縮性側索硬化症 / 舌接触補助床 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は平成28年度に立てた「研究1:筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の最大舌圧と経口摂取状況の関連を明らかにする」という研究目標を継続して目標とし,引き続き共同研究を行っている関連病院に通院中の5名の対象者を継続して評価,データの取得(①基本情報:ALS機能評価,BMI,栄養摂取方法,食事形態・食事時間,②口腔機能:口腔内環境,最大舌圧)を行っている.また,平成30年度は新規に12名(申請者の所属する病院:2名,共同研究を行っている関連病院:10名)の対象者が加わり,上記対象者と同様に約3カ月毎に継続して上記の評価,データの取得を行っている.平成31年度は引き続き評価,データの取得を行うとともに,取得した結果を基に分析を行う予定である. また,「研究2:舌接触補助床(PAP)装着と経口摂取期間との関連を明らかにする」という研究目標に対しては,PAPの適応であり,同意の得られた2名の対象者にPAPを装着することが可能であり,病状の進行とともにPAPの形態を変えながら上記の評価,データの取得を行っている.平成31年度は新規の対象者を増やすとともに,この結果を分析する予定である. また,本研究を始めるきっかけとなった研究である,ALS患者の最大舌圧と摂食嚥下機能との関係を明らかにし,摂食嚥下機能が低下する最大舌圧のカットオフ値を明らかにした研究を英語にまとめ,英語雑誌に投稿し,アクセプトされた. さらに,申請者の所属する病院において,新規の倫理申請を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は「研究1:筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の最大舌圧と経口摂取状況の関連」に対して,対象者を30名とした.平成28年から追跡できたのは5名であり,途中で死亡した6名および新規に対象者となった12名を合計して分析対象者は23名であった.これは目標人数を達成できていない.そのため,今後新たに1年をかけて追跡するとともに,新規の対象者を追加する必要がある.申請者の所属する病院はもちろん,共同研究を行っている関連病院には県内外から多くのALS患者が受診しており,嚥下機能評価を目的に歯科への協力依頼もあるため,今後も対象者は追加される予定である. また,「研究2:舌接触補助床(PAP)の装着が最大舌圧と経口摂取期間に与える影響の解明」に対しては,平成30年度で2名の対象者にPAPを装着可能であったが,病状の進行程度によりPAPの適応でなかった患者に対しても同様の評価を行っており,今後1年で目標とする人数を達成することが可能であると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
研究1「筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の最大舌圧と経口摂取状況の関連」においては,現在追跡中の対象者の追跡継続に加えて,新規の対象者への説明,同意取得,評価測定および記録の管理を徹底する. また,平成31年度の早い段階で,現在まで得られたデータを分析,検討することで,最終的な対象者の人数の予測を立てる. さらに,研究2「舌接触補助床(PAP)の装着が最大舌圧と経口摂取期間に与える影響の解明」に対しては,申請者の所属する病院で新規の倫理申請を行ったことで,共同研究を行っている関連病院とともにPAP作製の説明,同意を得ることができる.そのため,さらに多くの対象者にPAPを作製することが可能となる予定である.
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