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2019 Fiscal Year Research-status Report

高齢者の失禁関連皮膚炎に対する新たな予防法の開発―細菌による尿素分解に着目して

Research Project

Project/Area Number 19K20756
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

麦田 裕子  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (00804874)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2021-03-31
Keywords失禁関連皮膚炎 / アンモニア / 尿素分解酵素 / 細菌 / 尿素
Outline of Annual Research Achievements

【背景】尿便に曝露した皮膚では、便中細菌が尿中尿素を分解しアンモニアを発生させることで、pHが上昇し、失禁関連皮膚炎の発生原因(消化酵素・細菌)が影響を及ぼしやすい状態になる。細菌による尿素分解の抑制が失禁関連皮膚炎の発生予防につながると考えられる。これまで実施したin vitro実験でのコンセプト検証の結果、細菌含有人工尿に抗菌剤およびウレアーゼ阻害剤を添加することにより、細菌による尿素分解が抑制され、pH上昇要因であるアンモニア産生量が減少することが明らかとなった。この知見より、抗菌剤を含有するパッドが失禁関連皮膚炎予防に効果的であると考え、現在産学連携で開発中である。
【本年度実施内容】皮膚へのパッド貼付による失禁関連皮膚炎モデルを確立するための検討を行った。
抗菌剤を含有する新規パッドの試作品を介入群、従来パッド(抗菌剤非含有)を対照群とし、同一個体内の左右皮膚をランダムに介入群と対照群に割り当てた。皮膚へのパッド貼付の際にパッドに含ませる溶液は、細菌による尿素分解の影響を受けた人工尿(フィルター滅菌により細菌自体は含まない溶液)とした。実験に用いた細菌は、高い尿素分解能を有するProteus mirabilisとした。
条件検討の結果、人工尿にProteus菌を添加し4時間培養後、フィルター滅菌したものをパッドに添加させ、バリア機能低下皮膚(テープストリッピングによる前処理を行った皮膚)に8時間貼付することで、失禁関連皮膚炎様の発赤を作成できた。ただし、この方法では介入群と対照群の発赤の程度が同等であり、新規パッドの効果が十分に示されなかった。現在は、新規パッドに含有させる抗菌剤の種類や含有量の再検討を行うとともに、パッド貼付による失禁関連皮膚炎モデルの作製方法の検討を継続している。
なお、in vitro実験でのコンセプト検証の結果は国際専門誌に投稿中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2019年度当初の研究計画として、新規パッドの失禁関連皮膚炎予防効果の予備検討を行い、その上で臨床の失禁患者における新規パッドの失禁関連皮膚炎予防・改善効果を臨床評価することを予定していた。
2019年度の実施内容として、年度を通して新規パッドの予備検討を行った。その結果、新規パッドの失禁関連皮膚炎予防効果および抗菌効果を十分に示すことができず、臨床研究を開始することができなかった。そのため、現在までの達成度を「やや遅れている」とした。
当初の予定よりは遅れているものの、予備検討結果により新規パッドの改良の必要性を明確にすることができたため、意義のある進捗であったと考える。

Strategy for Future Research Activity

産学連携で開発中である新規パッドの失禁関連皮膚炎予防効果を評価するために臨床研究を実施する。
臨床研究実施前に、健常人にて新規パッドのpH上昇抑制効果の予備検討を行う。
臨床研究では、研究参加者を新規パッド使用群と従来パッド(細菌による尿素分解抑制効果を有しないパッド)使用群の2群にランダムに割り付け、各パッドを一定期間使用後、失禁関連皮膚炎発生率・重症度、皮膚生理機能変化、におい強度を群間比較する。

Causes of Carryover

研究計画立案時は、補助事業期間2年目に新規パッドの臨床評価を行う予定であったが、パッドの性能、特に抗菌能の検討とそれに基づく抗菌剤含有量の決定に時間を要し、臨床評価に至ることが困難であったため、次年度使用額が生じた。
次年度は臨床評価を実施予定であり、その経費として使用予定である。また、2019年度の研究成果の論文執筆ならびに学会発表のため、その経費(論文投稿費、英文校正費、学会参加に伴う旅費・参加費)を次年度使用予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Proteus mirabilisに対する消毒剤, ウレアーゼ阻害剤による尿素分解抑制効果の検証.2019

    • Author(s)
      麦田 裕子, 仲上 豪二朗, 真田 弘美.
    • Organizer
      第7回看護理工学会学術集会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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