2018 Fiscal Year Annual Research Report
広報メディアにみる日本における地域イメージ形成の枠組みー水郷街を事例として
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17H06676
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
香月 歩 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (50805124)
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Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2020-03-31
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Keywords | 水郷街 / 水空間 / 観光地域のイメージ / 都市のイメージ / 広報メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、河川・水路・湖沼といった水空間を有する街を水郷街と定義し、これらの街の広報メディアから水空間を基軸とした地域イメージの特性を考察することで、現代社会における地域の様々な資源を基軸とした地域イメージ形成のメカニズムの一端を解明することを目的としている。昨年度および本年度は主に以下の研究を行った。 ・水郷街の母集団の確定と概要の整理 文献調査から、水の郷百選の選定地域を中心に、ガイドブックなどで河川や水路などの水空間が取り上げられる市町村を加え、これらを対象地の母集団として確定した。 ・広報メディアの言語分析による水郷街の地域イメージの構造的把握 上記の水郷街の広報メディアとして、自治体または観光協会が発行する観光パンフレットを収集し、その言語表現を分析した。特に、それぞれの地域が水空間のどのような側面に価値をおいているか、さらに水空間とあわせて提示されている地域の観光資源について検討した。その結果、水空間のもつ歴史性や水質などが提示される価値として見出され、さらに祭礼や漁業などの地域文化、乗船観光やカヌーといった観光体験、水産品や農産品などの生産物が地域の観光資源として水空間とともに提示されていることを把握し、さらにそれらの相関関係を考察した。 ・水郷街の現地調査 対象地に赴き、各地の水空間の空間的特徴と、観光振興やまちづくりにおける水空間の活用状況を調査した。これまで5地域の調査を行い、各地の水空間が実際の観光体験においてどのように活用されているのか、また活用され得るかを考察している。現地調査については調査が当初の計画より遅れており、2019年度に調査を完了させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究者の都合、および調査予定地域における気象災害により、現地調査が2度遅延された。それにより、現地調査以降に行う予定であった考察作業についても遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの現地調査を完了させる。対象地については既に選定している。 現地調査から当該地の水空間の特徴と、地域活性施策における水空間の活用状況を検討し、広報メディアの分析結果とあわせて、水郷街の地域イメージの特性を考察する。
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