2019 Fiscal Year Research-status Report
ミクログリアTRPチャネルを介した脳内炎症制御による精神疾患治療機序の解明
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19K20760
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 美那 (笠井美那) 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90802827)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ミクログリア / 抗精神病薬 / アリピプラゾール / TRPM7チャネル / TNF-α |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、抗精神病薬アリピプラゾールにTRPM7チャネルを介したTNF-α産生抑制作用を見出すことに成功し、さらに、研究室で独自開発 しているヒト末梢血由来ミクログリア様(iMG)細胞の作製技術を用いて、健常者由来iMG細胞でも齧歯類ミクログリア細胞と同様のアリピプラゾ ールの作用を見出したが、その反応には個人差があり、一部の健常者由来iMG細胞では抑制作用を認めなかった。本研究では、「少なくとも一部 の精神疾患患者においてはミクログリア過剰活性化が起こっており、アリピプラゾールなどの向精神薬、あるいは、フィンゴロミド(FTY720:T RPM7阻害作用あり)などによるミクログリアTRPチャネルを介したミクログリア活性化制御が治療になるのでは?」という仮説を立て、精神疾患 関連モデルマウス実験とともに、精神疾患患者由来iMG細胞を用いた橋渡し研究による双方向性アプローチで仮説解明を志してきた。 本年度も、マウスとヒトでの研究を続けてきた。モデルマウス実験は若干遅れているが、患者によるiMG細胞の作製および解析は順調にすすめており、興味深い知見が得られつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデルマウス実験は若干遅れているが、患者によるiMG細胞の作製および解析は順調にすすめているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、モデルマウス実験および精神疾患患者血液由来iMG細胞の作製解析をすすめてゆく。
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