2019 Fiscal Year Annual Research Report
Cdc42依存性唾液腺腺房細胞形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K20764
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
設楽 彰子 朝日大学, 歯学部, 講師 (30508718)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Cdc42 / 唾液腺 / 小胞輸送 / エンドサイトーシス / 分泌顆粒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では唾液分泌の主となる腺房細胞が形成される仕組みを明らかにするため、RhoGTPaseの一種であり上皮細胞極性形成の中心となって働くCdc42の腺房細胞の形態形成過程における役割を解析した。 Cdc42を腺房細胞特異的ノックアウトするコンディショナルノックアウトマウスを用いて、唾液腺腺房細胞の形態形成におけるCdc42の役割を調べた。その結果、腺腔側膜の形成に著明な抑制起こり、成長後のマウスにおいても細胞間に進展する細胞間小管と呼ばれる正常は管腔構造は観察されなかった。さらに野生型マウスでは細胞膜に限局して発現する、膜局在シグナルを持つ蛍光タンパク質が、Cdc42ノックアウトマウスにおいては、細胞内の小胞上に認められた(GFP小胞)。この小胞の局在を明らかにするため、免疫組織科学的解析を行ったところ、GFP小胞の局在を調べたところ、一部が、初期エンドソームのマーカータンパク質と共局在した。一方で初期エンドソームの形態や数は維持されていたことから、Cdc42のノックアウトによりエンドサイトーシスが亢進し、腺腔側膜の形態変化を惹起することが示唆された(Shitara et al., 2019)。 さらにCdc42ノックアウト腺房細胞の微細構造を透過電子顕微鏡を用いて解析した。その結果分泌顆粒数が著明に増加し、小型化することがを明らかになった。分泌顆粒の一部はには野生型の細胞では観察することができない、Dense-coreが観察されたことから、Cdc42は分泌顆粒の成熟に関与することが示唆された(Shitara et al., 2020)。
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