2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19K20773
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 蕗子 大阪大学, 文学研究科, 助教 (40823779)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 日韓演劇交流史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、劇作家岸田理生の1990年以降の韓国演劇界との交流の様相を調査し、岸田の問題意識の所在を、作品分析を通して具体的に明らかにすることを目的とするものであった。 一年目には韓国を訪問し諸関係者への聞き取りを行うと共に、ソウルの前衛的小劇場「恵化洞一番地」に招聘されて、岸田が旧知の俳優・スタッフと共に創り、上演をした作品『二人ぼっち』(1995)に関わる資料の収集を行い、パンフレットや台本などを集めた。 二年目には韓国を再訪問し、前年度確認できなかった資料の収集にあたった。岸田が韓国の演出家のために渡した『人間リア』(1998)の上演台本と当時の映像、批評等を確認することができたので、シンガポールの演出家のために書いた岸田の元戯曲『リア』と、演出家が変更を加えた上演台本版の『リア』の戯曲との比較検討を行った。その結果、日本とシンガポールと韓国の1990年代と社会状況が各台本の違いとして現れていることがわかった。ただし、岸田が書き換えたというよりは演出家により変更が加えられた側面が大きかったと察せられたため、まずは韓国現代演劇における当該演出家の演出の独自性を探った。上演環境と様式が大きな意味を持つと感じられ、2020年度にはなるが、演劇とエコロジーをテーマに挙げる国際学会での発表を決めた(COVID-19の影響で学会は2021年度に延期された)。 また、集めた資料は整理をして、アーカイブ化をするために現在ホームページを準備中である。公開内容に関する関係者の意見がまだ完全に調整できていないため未公開状況ではあるが、整い次第順次公開していく予定をしている。
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Remarks |
公開内容等に関して調整が完了していないため、現在は未公開の状況となっている。
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Research Products
(2 results)