2018 Fiscal Year Annual Research Report
3D言語地図による漢語徐州方言の地域差・世代差に関する社会言語地理学的研究
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18H05577
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
日高 知恵実 金沢大学, 人間社会環境研究科, 客員研究員 (70825174)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 中国語 / 方言 / 漢語方言 / 徐州 / 言語地理学 / 社会言語地理学 / 言語地図 / 3D |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「3D言語地図」を作成することによって、中国江蘇省徐州市で話されている徐州方言の実態および動態を社会言語地理学的観点から明らかにするものである。「言語地図」とは、ことばの地理的な分布を地図上に示したもので、その作成は言語地理学的研究の基礎となる。通常、一枚の平面的な言語地図に描かれるのは、複数地点における同世代のインフォーマントの言語データであり、その分布状況を分析することで、ことばの変化の諸相を検討する。本研究でいうところの「3D言語地図」とは、従来の地理的空間(XY平面)に時間軸(Z 軸)を加えることでことばの地域差と世代差の両方を同時に可視化する立体的な三次元グラフである。こうした試みは、言語地理学という学問領域に新たな研究手法を提示するとともに、漢語方言研究、さらには中国語研究や言語研究一般に対する貢献が期待できる。初年度となる平成30年度では、主に以下の2点について研究を進めた。 (1)データ収集・整理・分析 平成30年8月に徐州市において現地調査を実施し、方言データの収集をおこなった。その後、既存のデータと合わせて、その整理と分析をおこなった。 (2)既存ソフトウェアを用いた「3D言語地図」作成の実践 本研究では、アメリカのOriginLabが開発しているデータ解析・グラフ作成ソフトウェア「Origin」を用いて、「3D言語地図」を作成した。このソフトウェアは「3D言語地図」の作成に特化した仕様ではないため、正規国内代理店であるライトストーン社の担当者の方と複数回にわたって作成に向けての相談や打ち合わせをおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、データの収集と「3D言語地図」の作成を試みることを目標としており、いずれも達成することができた。現在、論文を執筆している最中で、次年度の成果物として発表可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、引き続きデータを収集・整理し、できるだけ多くの項目について「3D言語地図」を作成した上で、その成果を学会発表、学術雑誌への投稿、Web上での公開などによって公表する。
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Research Products
(1 results)