2019 Fiscal Year Annual Research Report
Improvisational interaction that incorporates aesthetic distance to inspire production of creative discourse: application of improvisational drama
Project/Area Number |
19K20793
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
三野宮 春子 大東文化大学, 文学部, 特任准教授 (90632406)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 審美的距離 / 創造的言語使用 / アクティビティ開発 / 会話分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、外国語の相互行為の活性化を目指し、即興劇の手法を応用して審美的距離を構造に埋め込んだアクティビティの開発を行った。また、開発を通して、外国語学習者のリスク取りと創造的言語使用の関係について考察を行った。 鍵概念である「審美的距離」は、美学において芸術と現実社会の隔たりが絵画や詩を鑑賞する人に与える影響を指すことが多いが、本研究の関心事は表現者側にどのような意味を持つかという点であった。本研究では、虚構空間への没入によって、表現内容に対する社会的制約が緩和され、相互行為を活発化させる可能性が見出された。審美的距離の外国語教育への応用は、本研究終了後も継続して研究されるべき課題だと思われる。 本研究では主に、文献調査や既存ゲーム調査の過程で具体的な開発課題を特定し、体験型ワークショップ「英語アクティビティ工房」を定期的に開催して、自作アクティビティ試用とデータ収集を繰り返した。例えば、近年は問題基盤型学習が注目されているが、英語コミュニケーションを刺激する問題は必ずしも現実社会の問題に限らず、参加者の想像力を刺激するユーモラスな問題でもよいだろうと発想し、SOLVERというカードゲームを制作した。さらに、英語コミュニケーションが活性化するなら問題は解決しなくても構わないと考え、SOLVERを修正してProblem Solving & Unsolvingを開発した。活動過程のトランスクリプトを作成し会話分析を行った結果、現実を生きる自己とは無関係の架空状況だからこそ、実生活で行うにはリスクが大きいと思われる表現にも臆せず挑戦する様子が確認できた。 本課題に関連して、アクティビティ開発場面で活用されるエビデンスについて考察する研究や、アクティビティ体験のリフレクションの研究も実施した。
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