2019 Fiscal Year Annual Research Report
Trilateral Relationships among Japan, Korea and China in 17th-19th Centuries
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19K20827
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
程 永超 名古屋大学, 高等研究院(文), 特任助教 (80823103)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 対馬 / 朝鮮 / 東アジア国際秩序 / 三国関係史 / 情報 / 日朝貿易回復 / 中国政治変動 / 太平天国 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年4月~6月に、続けて韓国ソウル大学奎章閣韓国研究センターで在外研究のため、韓国ソウル大学校奎章閣韓国学研究院・国史編纂委員会など韓国各地に散在する近世日朝中関係史料を網羅的に調査・収集した。収集した史料を利用し、主に二つの面から研究を進めてきた。 (1)十七世紀初頭における日朝間の貿易回復と明朝中国の関係。十七世紀初頭における日朝間の貿易関係の回復過程に焦点をあて、明朝中国が日朝貿易の回復にどの程度干渉したのかを究明し、日朝間の貿易回復をめぐり明朝中国・朝鮮・対馬が絡み合う具体像を描き、明朝中国が壬辰戦争後の日朝関係形成に欠かせない存在であることを明らかにした。 (2)情報流通の面から三国間関係史の分析。対馬宗家文書に記録された中国政治変動関係の史料を網羅的に収集し、分析を進めている。特に研究蓄積の薄い明清交替初期と太平天国期を中心に、朝鮮経由で中国情報の日本伝達過程における朝鮮と対馬の役割に注目した。また、対馬藩が中国情報収集活動を開始する動機、そして近世期に対馬藩による中国情報収集活動の変遷を分析した。 上記のように、17-19世紀中国・朝鮮・対馬が絡み合う具体像を究明し、「日本―朝鮮―中国」動線の検討によって、近世日中外交関係形成における朝鮮・対馬の役割と位置付けを具体的に実証してきた。 以上の研究成果の一端を中国(山東大学・南京大学・台湾中央研究院)・韓国(ソウル大学)・日本(早稲田大学・名古屋大学)の国際シンポジウムやセコロキウムで日本語・中国語・韓国語・英語でそれぞれ口頭報告を行い、質疑に応じた。
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Research Products
(8 results)