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2020 Fiscal Year Research-status Report

天保~安政期における平野郷町の改革と領主支配

Research Project

Project/Area Number 19K20828
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

松本 充弘  神戸大学, 人文学研究科, 特命助教 (10824518)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords在郷町 / 平野郷町 / 古河藩 / 大坂城代 / 天保期 / 被災資料
Outline of Annual Research Achievements

2020年度はさらなる研究成果の取りまとめを視野に、補助事業期間の延長を申請していたが、新型コロナウイルス禍による学会報告の中止などにより計画変更を余儀なくされた。
学会等における研究発表については、2020年6月に予定された大阪歴史学会近世史部会での報告が中止となったものの、2021年3月に明和・安永、そして文政期における平野郷町運営と古河藩財政の関わりについて検討する機会を得、2021年6月に予定される大会報告においてもこのテーマに継続して取り組むこととした。また、2021年1月には、大阪歴史科学協議会において、2018年台風21号被害をきっかけに関わってきた大阪市平野区内における被災資料保全活動について報告した。
本研究課題に関わる成果物としては、前年度に学会報告をおこなった大塩事件と古河藩家中に関する論考が『大塩研究』に掲載された。これは、天保8年(1837)の大塩事件を大坂城代直属の部隊として鎮圧し、後日大塩父子の捕縛にも携わった古河藩家中の編制状況を明らかにし、合わせて城代家中と大坂町人社会との関わりについて検討したものである。また、『新版八尾市史 近世史料編2』が刊行され、このうち第6章の「川と陸の交通」を執筆した。平野郷町を取り巻く摂河地域の社会経済状況を分析する上で、必要不可欠な史料分析に取り組むことができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

不測の感染症が蔓延したことによって史料調査や学会参加に支障を来したものの、継続可能な範囲で研究を漸進させることはできた。特に、天保期の古河藩家中についてまとめる機会を得たことは、城代の赴任や役職遂行に際して大坂町人社会とのかかわりが不可欠であったことについて理解を深める契機となった。ここに古河藩が上方に有した添知(平野郷町を含む)と役知(城代期に期間を限って与えられる)に求められた役割の分析を加えることで、関東譜代藩が畿内地域に有した飛地の機能を明確にしたい。この検討をおこなうことによって、天保14年(1843)の上知令による畿内地域の動揺と、それに伴う地域運営の変容を問うことも可能になると見通している。

Strategy for Future Research Activity

前年度に中止となった大阪歴史学会の大会が2021年6月に開催されることとなり、近世史部会において報告させていただける運びとなったことから、これまでの成果を総括することに引き続き取り組みたい。具体的には、在郷町である平野郷町の運営が変容する画期として古河藩による陣屋の設置に焦点を据え、「陣屋元の在郷町」という観点から地域運営と領主支配の関わりについて考察を深めていきたいと考えている。
具体的な方法としては、これまでも用いてきた「杭全神社文書」に含まれる惣会所記録である「覚帳」、「含翠堂(土橋)文庫」に含まれる惣年寄日記である「日録」の分析を通じて、近世中後期における郷町運営の流れを整理する。また、それらと「鷹見家歴史資料」の古河藩政日記を照合することによって、在郷町運営と譜代藩政の両側面から近世中後期における大坂周辺地域の変容について考察を続けていきたい。

Causes of Carryover

本研究課題の遂行に際し、古河藩主が大坂城代に就任する天保期に、平野郷町をはじめとした上方所領が果たした機能や役割を追究し、2020年1月の大塩事件研究会で発表した。この分析をもとに、前後の文政期や維新期における藩と郷町の関係を検討する必要性を感じていたところ、2020年6月に予定されている大阪歴史学会大会において、その成果を報告する運びとなった。この大会は新型コロナウイルス感染症の蔓延により中止となったが、2021年6月に改めて開催されることとなり、部会報告についても再度依頼していただいた。以上のことから、補助事業期間の延長が必要と判断した。

  • Research Products

    (6 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) Presentation (4 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 古河藩大坂詰家中と大塩事件2021

    • Author(s)
      松本充弘
    • Journal Title

      大塩研究

      Volume: 84 Pages: 13-41

  • [Presentation] 大阪市における地域歴史資料保全の課題―2018年台風21号による被災資料レスキューを通じて―2021

    • Author(s)
      松本充弘
    • Organizer
      大阪歴史科学協議会1月例会
  • [Presentation] 近世中後期における古河藩財政と摂津国平野郷町2021

    • Author(s)
      松本充弘
    • Organizer
      大阪歴史学会近世史部会大会準備報告
  • [Presentation] 黒瀬杲氏「「平野歴史民俗研究会」の成りたち」へのコメント2020

    • Author(s)
      松本充弘
    • Organizer
      平野歴史民俗研究会7月例会
  • [Presentation] 明和・安永期の古河藩財政とY家2020

    • Author(s)
      松本充弘
    • Organizer
      平野歴史民俗研究会11月例会
  • [Book] 新版八尾市史 近世史料編2―古文書が語る江戸時代の八尾―2020

    • Author(s)
      新版八尾市史編纂委員会・新版八尾市史編集委員会(編集)
    • Total Pages
      748(439~542ページの執筆を担当)
    • Publisher
      八尾市

URL: 

Published: 2021-12-27  

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