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2018 Fiscal Year Annual Research Report

18-19世紀転換期フランスにおける地方行政システムの地域間比較研究

Research Project

Project/Area Number 18H05623
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionFukuoka Women's University

Principal Investigator

藤原 翔太  福岡女子大学, 国際文理学部, 講師 (50824166)

Project Period (FY) 2018-08-24 – 2020-03-31
Keywords近代フランス史 / フランス革命 / ナポレオン / 選挙 / 地方行政
Outline of Annual Research Achievements

18-19世紀転換期フランスにおける地方行政システムの地域間比較を主たる目標とする本研究において、本年度は、3週間にわたる現地調査による史料収集を実施した。具体的には、パリのフランス国立文書館に所蔵される選挙関連史料群のセリーF1cIIIおよび地方行政官・議員の任命に関する史料群セリーF1bIIのうち、研究対象である諸県(セーヌ・エ・オワーズ県、ムルト県、ガール県)の史料を網羅的に収集した。また、フランス国立文書館には所蔵されていない地方文書史料を渉猟するために、本年度はガール県文書館(ニーム市)での史料収集を実施した。これらの成果として、フランス国立文書館に所蔵される対象領域に関するフランス革命期とナポレオン時代の選挙関連史料をほぼ全て収集することができた。ガール県文書館では、ナポレオン時代の選挙関連史料を全て収集した一方で、フランス革命期の史料についてはその膨大な量から、一部の収集にとどまっている。
本年度は、史料収集と並行して、本研究をスタートする上で不可欠な作業である、18-19世紀転換期フランスにおける選挙制度の生成と変容について、理論的な側面からのアプローチに取り組んだ。フランス革命期に使用される二段階的な選挙制度は、ナポレオン時代の共和暦10年憲法において引き継がれたのであるが、そのような選挙制度改革は単なるフランス革命の伝統の継続を意味したわけではなく、むしろ議員から国民の代表性が剥ぎ取られ、地域代表者としての性格が強調される形へと再編されたことが明らかとなった。このナポレオン時代における選挙制度の理論的転回について、フランス革命期からナポレオン時代における選挙関連史料を分析し、選挙制度の実態を実証することが今後の課題となる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度の目標として、まずは現地調査での史料収集の実施が挙げられる。この点について、フランスでの現地調査(パリとガール県)を実施し、とりわけパリにおける史料収集では、対象領域となる諸県(セーヌ・エ・オワーズ県、ムルト県、ガール県)に関する選挙関連史料を網羅的に把握し、収集することができた。また、ガール県での史料収集においては、ナポレオン時代の選挙関連史料の収集に成功した。ただし、フランス革命期の史料については、膨大な量の史料が残存しており、一部の収集にとどまった。この点で、当初の予定よりもやや遅れがみられる。
また、本年度には、地方行政システムの地域間比較について、実際に一次史料を分析する前に、研究の該当期間にあたるフランス革命・ナポレオン時代を見渡す形で、選挙制度の概要を理解する必要があった。地方行政システムの構成員が誰であったかを実証的に考察する前に、彼らがどのようにして選出されたのか、その制度的な側面を明らかにしなければならなかったからである。そこで、印字史料および二次文献を中心に、該当期間における選挙制度の理論とその変容に関する研究に取り組んだ。旧体制期末期における選挙制度の登場と、フランス革命期における選挙制度の展開、およびナポレオン時代にそれらの制度がどのように引き継がれ、また引き継がれなかったのか、明らかにすることができた。この成果は、来年度中(2019年度中)に論文の形で公表する予定である。

Strategy for Future Research Activity

本年度の研究活動により、フランス国立文書館およびガール県文書館での史料収集を実施した。残るは、セーヌ・エ・オワーズ県とムルト県の文書館におけるフランス革命期およびナポレオン時代の史料収集と、ガール県文書館に残されるフランス革命期の史料収集である。ただし、滞在等の費用を考慮すれば、おそらく2県の文書館における収集が限界であるように思われる。ガール県でのナポレオン時代に関する史料収集が完了していることを考慮して、来年度(2019年度)は、セーヌ・エ・オワーズ県とムルト県の文書館における史料収集を実施することが今後の研究をよりよく前進させるために望ましい。ただし、現在、ムルト県文書館は、史料の移転作業のために、一時的に閉鎖されており、いつ再開されるか公示されていない。そこでムルト県文書館の状況を見定めつつ、もし史料収集が不可能なようであれば、セーヌ・エ・オワーズ県およびガール県における史料収集を実施する予定である。
新たな史料収集を実施するまでに、本年度収集した史料の解析作業に取りかかる。とりわけ地方行政システムの構成員を特定するためにF1bII史料群と彼らがどのように選出されたかを示してくれるはずのF1cIII選挙関連史料群を分析し、18-19世紀転換期フランスにおいて、旧体制からフランス革命をへてナポレオン時代に至る間に、どのような選挙制度が実施され、どのように地方行政官および議員が選出されたか、そして、彼らはどのような代表的性格を備えながら、行政システムに関与し、それを構築していったかを明らかにすることが、今後の課題となる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019 2018

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] ナポレオン時代の村会と地方自治2019

    • Author(s)
      藤原翔太
    • Journal Title

      史学研究

      Volume: 302 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ナポレオン時代の村会と地方自治2018

    • Author(s)
      藤原翔太
    • Organizer
      九州史学会大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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