2020 Fiscal Year Research-status Report
ユネスコ無形文化遺産の代表一覧表記載が山・鉾・屋台行事の保存・継承に与えた影響
Project/Area Number |
19K20846
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
清水 博之 茨城キリスト教大学, 文学部, 准教授 (70822732)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ユネスコ無形文化遺産 / 全国山・鉾・屋台保存連合会 / 山・鉾・屋台行事 / 日立風流物 / 高岡御車山行事 / 秩父祭 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,山・鉾・屋台行事の保存・継承の現状と課題を確認し,その要因を明らかにして,課題解決へ向けての提言をすることである。 これまでに全国山・鉾・屋台保存連合会の会員団体へアンケート調査の実施,高岡御車山祭,日立風流物,秩父祭の各保存会について,聞き書き調査,祭礼当日の観察調査などを実施してきた。 2020年度には,アンケート調査の補完調査として高岡御車山祭及び日立風流物の現地調査を実施する予定だったが,新型コロナウイルス感染症の蔓延により,これら祭礼が中止となった。このような状況のもと,感染防止の観点から現地調査を止む無く中止せざるを得なかった。 しかし,研究の推進のために,茨城キリスト教大学においてオンラインによるシンポジウム「ユネスコ無形文化遺産山・鉾・屋台行事の保存・継承と教育」を開催した。この中では,京都祇園祭において佛教大学による教育活動を通した無形民俗遺産の継承への支援活動や,秩父祭における学校教育との連携活動などについて知見を深めることができた。このシンポジウムの成果は報告書にまとめて,山・鉾・屋台行事の保存・継承に資するために,全国山・鉾・屋台保存連合会の会員団体へ送付した。また,植木行宣監修による『山・鉾・屋台の祭り研究事典』(思文閣/2021年)の編さんに関わり,「日立風流物」の項を執筆担当した。さらに,2020年度の日本民俗学会年会において研究発表をするため申請をしていたが,継続するコロナ禍により開催形態が急遽オンラインとなったため,発表要旨の提出時期が当初よりも早くなったことにより,準備が間に合わず残念ながら発表を辞退することにした。 全般的には、研究活動は沈滞した状況ではあるが,その中でオンラインの活用などにより可能な方法で研究を推進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染流行によって,対象となる地域の祭り・行事が相次いで中止となり,現地における観察調査や聞き書き調査ができなかった。また,コロナ禍のもとで,大学における業務も前期にはすべてがオンライン授業となったため,その準備や実施に忙殺された。後期には面接授業も再開されたが,オンラインを希望する学生へは面接授業と同時にオンラインで対応しなければならなくなり,複合的に業務が繁忙を極めることとなった。このような事情から研究に割く十分な時間を得ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の状況を見定めつつ,現地調査の実施をめざしたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延により,対象となる祭り・行事が中止となったため,現地調査を実施することができなかった。 次年度以降,調査対象地の状況を把握した上で,調査を実施する予定である。
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