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2019 Fiscal Year Annual Research Report

議院内閣制の動的モデルー責任の明確性が首相交代リスクに与える影響の検討

Research Project

Project/Area Number 19K20867
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

上條 諒貴  京都大学, 法学研究科, 特定助教 (20826515)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2020-03-31
Keywords議院内閣制 / 首相交代 / 責任の明確性 / 数理モデル
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、前年度の結果を受けて、首相の責任の明確性が首相交代に与える影響を分析した。本来は、本年度についても数理モデルの構築とデータによる実証を行う予定であったが、技術的に難解で多岐にわたる数理モデルの先行研究の精査に時間を要したため理論モデルの構築にとどまった。
数理モデルの構築においては以下のような要素を考慮に入れた:①一般議員は首相及び次期首相の能力について正確に把握しているが、有権者は正確には把握していない(したがって首相交代の判断を通じたシグナリングが可能である)、②ただし、有権者は政策結果から首相の能力をある程度推論することができる、③政策結果から有権者がどの程度正確に首相の能力を推論できるかは首相の責任の明確性に依存する。
上記の要素を含んだ不完備情報ゲームを分析した結果、責任の明確性の違いによって、政策結果が有権者に与える首相の能力に関する情報量と、それを予見した一般議員の戦略的意思決定を通じた様々な相異なるメカニズムの首相交代が起こりうることが示された。首相交代リスクという観点からは「政権のパフォーマンスが低い場合の首相交代は責任の明確性が高いほど起こりやすく、政権のパフォーマンスが高いにもかかわらず起こる首相交代は責任の明確性が低いほど起こりやすい」という形で、責任の明確性が首相交代リスクに影響を与えるという含意が得られた。以上の内容は、研究会での報告を経て暫定的にまとめた段階であるが、今後査読誌への投稿へ向けて引き続き準備を進めていく。

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Published: 2021-01-27  

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