2018 Fiscal Year Annual Research Report
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18H05667
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
阿部 和美 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 助手 (00822230)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 国民統合 / 紛争研究 / インドネシア / パプア / 東南アジア / 平和構築 / ナショナリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、分離独立運動が続くインドネシア・パプア問題に着目し、民主化にともなう政治・経済・社会的環境の変化によってパプア人の帰属意識に生じた変化と、その結果生じた分離独立運動の変容を明らかにすることを目的とし、民主化が定着したインドネシアの国民統合の実態と課題を明らかにするものである。 以上の目的を達成するために、2018年度は、(1)パプア人のナショナリズムがどのように形成されたのか、(2)民主化によってパプア人をめぐる政治・経済・社会的環境にどのような変化が生じたのか、(3)その結果、パプア人の帰属意識にどのような変化が生じ、分離独立運動を変容させたのか、以上の3点の問いを立てて研究を進めた。(1)パプア人のナショナリズムがどのように形成されたのか、という問いについては、先行研究の収集を行ない、分析を進めた。(2)民主化によってパプア人をめぐる政治・経済・社会的環境にどのような変化が生じたのか、という問いについては、パプア地域で現地調査を実施して一次資料収集を進めた。具体的には、マノクワリ、ジャヤプラ、ティミカ、ムラウケ等の都市を訪問し、研究者およびNGO活動家から聞き取り調査を行なうとともに、都市部と農村部を訪問して経済・社会的環境の実態を調査した。(3)その結果、パプア人の帰属意識にどのような変化が生じ、分離独立運動を変容させたのか、という問いについては、次年度の研究課題とする。 2018年度の研究成果は、インドネシアで行なわれた国際学会「The 6th JSA ASEAN Conference」、学会誌『グローバルガバナンス』への投稿論文を通して発信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は、当初の予定通りパプア地域における現地調査を実施し、国際学会および国内学会誌において研究成果を発信した。パプア地域における現地調査は、当初の予定以上に時間を要したため、ジャカルタやジョクジャカルタでの現地調査は実施できなかったが、研究の予定に大きな支障はなく、次年度に延期可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に十分に収集することができなかった分離独立運動に関する資料収集のために、ジャカルタおよびジョクジャカルタへの調査を予定している。ジャカルタでは、国立インドネシア大学とパプア地域で活動を行うNGOを訪問する。ジョクジャカルタでは、国立ガジャマダ大学を訪問する。また、パプア地域の問題の普遍性および独自性を明らかにするために、かつて類似の紛争問題を抱えていたアチェおよび東ティモールに関する研究を行なう。 研究成果の発表としては、日本の主要学会における発表および論文投稿を行うと同時に、海外への調査出張の機会を利用して、海外の機関での発表を行う予定である。
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Research Products
(3 results)