2020 Fiscal Year Annual Research Report
The Impact of Democratization on Papua Independent Movement
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19K20871
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
阿部 和美 秋田大学, 国際資源学研究科, 助教 (00822230)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インドネシア / 分離独立運動 / 国民統合 / パプア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、分離独立運動が続くインドネシア・パプア問題に着目し、民主化が定着したインドネシアの国民統合の実態と課題を検証するものである。パプア地域には、人権侵害や貧困が蔓延している。さらに、民主化によって利権構造が変化する中、パプア社会の基底をなす分離独立運動に変化が生じている。本研究の目的は、民主化にともなう政治・経済・社会的環境の変化によってパプア人の帰属意識に生じた変化と、その結果生じた分離独立運動の変容を明らかにするということである。 最終年度である2019年度には、パプア人のナショナリズムがどのように形成されたのか、民主化によってパプア人をめぐる政治・経済・社会的環境にどのような変化が生じたのか、その結果、パプア人の帰属意識にどのような変化が生じて分離独立運動を変容させたのか、以上の3点の問いに対する分析結果をまとめた。2019年1月に実施した現地調査から得られた成果を用いて研究を進め、アジア政経学会若手研究会、国際政治学会にて学会発表を実施し、さらに国際学会であるアジア未来会議にて学会発表を実施した。また、本研究の成果をまとめた博士学位申請論文「インドネシアにおけるパプア紛争―分離独立運動の変容」(早稲田大学)を完成させた。 基金繰越期間に該当する2020年度には、現地での文献収集や聞き取り調査は実施できなかったが、分離独立運動に新型コロナウィルスがどのように影響を与えたのか分析を進めた。
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