2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Study of Policy Process on Development of Fast Reactor for National Security
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18H05672
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
小伊藤 優子 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 高速炉・新型炉研究開発部門 国際・社会環境室, 博士研究員 (80827080)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 高速炉 / 原子力 / 政策過程 / 安全保障 / 史料調査・収集 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまで見過ごされてきた高速炉開発に関する政策過程を明らかにすることにある。 初年度は、高速増殖原型炉もんじゅの研究開発に携わってきた関係者等へのインタビュー調査と科学技術庁や内閣府といった関係省庁の行政文書調査を実施した。その結果、動力炉・核燃料開発事業団(現在、日本原子力研究開発機構に改称)に所属する技術者が、核不拡散を意識した研究開発を行っていたことを初めて明らかにした。このことを踏まえて、ジョン・キングダンの政策の窓モデルを用いて政策決定構造の特徴を分析し、高速炉開発について国家安全保障の観点から常時検討する場がなかったことも新たに抽出した。 また、調査の過程で得られたデータについては、今後の研究の発展に資するよう蓄積し、データベース製作に備えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、平成30年度は高速増殖原型炉もんじゅの研究開発に携わってきた関係者等へのインタビュー調査と科学技術庁や内閣府といった関係省庁の行政文書調査を実施した。あわせて、モデルを用いて政策決定構造の特徴の分析も行った。 また、データベース製作に備えて、調査の過程で得られた資料や音声データを蓄積した。 以上のことから、おおむね順調に進んでいると判断した。 ただし、事実関係を確定するためには、他の資料を参照する必要があると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
政策過程の事実関係の整理を進めると共に政策決定構造の特徴についてより正確に把握するために、インタビュー及び行政文書調査を継続する。 これまでの調査結果を踏まえて、高速増殖原型炉もんじゅの研究開発に携わってきた関係者のみならず、核不拡散に向けた取り組みに関わる関係者も調査対象とする。
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Research Products
(3 results)