2018 Fiscal Year Annual Research Report
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18H05675
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉永 裕登 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (40823141)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 集約利益 / 利益・リターン関係 / マクロ経済予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は上場企業の会計情報を平均・合計などして集約した集約会計情報の有用性や活用方法を、世界の上場企業のデータを用いて探ることである。こうした上場企業全体の経営成績や財政状態が反映される集約会計情報の有用性や活用方法については近年研究が始まったばかりであり、十分に明らかにされていない。そこで、本研究では、会計情報の中でも特に注目される利益情報に着目し、個別企業の利益情報を集約した集約利益に含まれる情報内容やこれが株式市場に及ぼす影響のメカニズムについて、グローバル・データを用いて実証的に分析することで、会計・ファイナンス研究領域に新たな学術的知見を蓄積することを目指していく。 2018年度には、分析用パソコンなど必要設備の購入によって研究の準備を入念に整えつつ、会計情報の中でも最も注目される利益情報を集約した集約利益に関する資本市場研究を進展させた。まず、株式市場における投資家にとっての集約利益の活用方法を探るために、集約利益と市場リターンとの関係について、グローバルデータを用いて分析し、その分析結果を英語論文にまとめている。この論文はアメリカで開催された国際学会 30th Asian-Pacific Conference on International Accounting IssuesのProceedingsとして提出し、報告許可を得ている。当学会では報告時に海外研究者からのコメントを受けたことで、研究方針を定めることができており、他の研究者による最先端の研究報告を拝聴することで今後の研究に関する示唆を得ている。また、こうした個人研究と並行して、一橋大学の中野誠教授と科研費課題に関する共同研究も進めている。この研究は集約利益のマクロ経済予測における有用性を探るものであり、現在、分析結果を英語論文にまとめている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度には、アメリカで開催された国際学会 30th Asian-Pacific Conference on International Accounting Issuesに参加し、研究報告を行った。当学会では、最先端の研究報告を拝聴することで今後の研究に関する示唆を得ており、また自身の研究に対する海外研究者からのコメントを受けたことで、研究方針を定めることができている。また、分析用パソコンなど必要設備の購入によって研究の準備を入念に整えることができた。個人研究と並行して、現在、一橋大学の中野誠教授と科研費課題に関する共同研究も進めており、この共同研究については分析結果をまとめ、英語論文の作成段階に進めている。こうした理由から進捗状況について、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に研究を進展させるデータについていくつか情報を得たので、2019年度には現在進めている個人研究をこうした新たなデータを用いてさらに貢献の高いものへと改善する予定である。また、共同研究については、海外学会で研究報告することでコメントを得て、最終的には海外ジャーナルへの投稿を目指していく。
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