2019 Fiscal Year Research-status Report
The empirical study on tax aggressiveness of international companies
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19K20884
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
岩崎 瑛美 松山大学, 経営学部, 講師 (20824577)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 税負担削減行動 / 国際税務 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,わが国に親会社を有する多国籍企業が,国際税務戦略を行っているかどうかを明らかにしたうえで,どのような手段によって企業グループとしての税負担を軽減しているのかを解明する。そのために,平成27年度に行われた税制改正前後で,わが国企業の所有権構造の変化を分析することにより,わが国企業が戦略的に税負担を軽減しているかどうかを検証する。そこで,平成29年3月27日に更新された,わが国の企業が有する全世界子会社の所在地国データを入手した。分析に際して,わが国親会社および外国に所在する末端子会社間でそれ以外の第3国に所在する関連会社の存在の有無を調査し,データを調査収集した。その後,平成29年3月27日に更新された,わが国の企業が有する全世界子会社の所在地国データを分析した。 その結果,平成27年度税制改正前後で,それぞれが異なる検証結果になると予想していたが,平成27年度税制改正後の平成29年3月27日に更新されたデータを用いた場合にも,平成27年度税制改正前の平成28年3月21日に更新されたデータを用いた検証結果と同様の傾向が見られた。 これは,平成27年度税制改正については,平成28年4月1日以降に開始する事業年度において適用されるが,経過措置により,平成28年4月1日において有する外国子会社の剰余金の配当を平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する各事業年度において受ける場合には,平成27年度税制改正以前と同様の取扱いとされることが影響していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,平成29年3月27日に更新された,わが国の企業が有する全世界子会社の所在地国データを入手した。分析に際して,わが国親会社および外国に所在する末端子会社間でそれ以外の第3国に所在する関連会社の存在の有無を調査し,データを調査収集した。さらに,平成29年3月27日に更新された,わが国の企業が有する全世界子会社の所在地国データを分析した。 その結果,平成27年度税制改正前後で,異なる研究結果となると予想していたが,平成29年3月27日に更新されたデータを用いた場合にも,税制改正以前の平成28年3月21日に更新されたデータを用いた検証結果と同様の傾向が見られ,仮説に一致する結果ではなかった。 検証結果は,平成27年度税制改正については,平成28年4月1日以降に開始する事業年度において適用されるが,経過措置により,平成28年4月1日において有する外国子会社の剰余金の配当を平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する各事業年度において受ける場合には,平成27年度税制改正以前と同様の取扱いとされることが影響していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年税制改正前後の検証結果は,仮説に一致するものではなかった。新たなデータを利用することが困難であるため、入手済みのデータを利用し、検証する。そこで、仮説の見直しを行い、再度分析を行う。その際、租税条約や産業特性等の要因を考慮し、検証する。 さらに,国際税務戦略を行っているわが国多国籍企業のみを抽出して,企業固有の特徴を明らかにする。
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Causes of Carryover |
新たにデータを利用することが困難であるため、すでに入手済みのデータを利用し研究を遂行する必要があるが、それでは、当初の仮説を検証することが困難であると思われる。そこで、新たに、仮説の見直しや再分析を行う必要があるため、予定していた研究計画の見直しが必要となった。 本年度前期中に新たな仮説を設定し、検証する。その際、資料収集等のために、研究費を使用する予定である。その後、論文を執筆し、投稿する予定である。
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