2018 Fiscal Year Annual Research Report
Agricultural Agency System of Southern Hemisphere in the Inter-War Period : From a perspective of the Fed-Farms of South Africa
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18H05693
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| Allocation Type | Single-year Grants |
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| Research Institution | Kansai University |
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Principal Investigator |
宗村 敦子 関西大学, 経済・政治研究所, 非常勤研究員 (20828355)
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| Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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| Keywords | 南半球 / 農産物 / 代理店制度 / 工業化 / アフリカ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
申請者は2018年度、南アフリカ共和国における現地資料調査を2度実施した。また2018年8月「戦間期南アフリカ連邦をとりまくFed-Farmsの農産物流通：南アフリカの労働集約型工業化論に向けた一史的考察」、また2019年2月に「戦間期アフリカ連邦の果物缶詰の流通とヨーロッパ市場－－南半球企業Fed-Farmsを介した先物取引体制の成立」と題して調査結果報告を行った。
申請者は近年議論される「アジア・アフリカ・ラテンアメリカ型の工業化」を論じた労働集約型工業化論をモデルについて、戦間期の南アフリカ連邦における初期製造業であった缶詰産業の事例検証を行ってきた。本研究は地域産業の形成として論じてきた自身の研究をグローバルな視点から位置づけるべく、国際市場への植民地アフリカ企業の進出をFed-Farmsという民間企業に焦点をあてて調査している。本年度は、同企業の内部資料および現地新聞等での具体的なFed-Farmsの報告書をもとに、南ア-オーストラリア-ニュージーランドの3自治領国が水平的に提携したビジネスモデルの一端を明らかにした。とくに、南半球という地理的共通点を持った3国の民間企業活動が、北米企業と関わりながらロンドンのリーディング市場への進出を目指していたことを論じた点に本研究の意義がある。
また今年度に継続される研究の視座として、申請者はFed-Farmsが活用していた電信による取り扱い商品の価格情報連絡網の重要性を見出した。著者の研究は、従来、土地・資本・労働という３つの生産要素の組み合わせに着目してモデル化されてきた労働集約型工業化に対して、制度という要素（この事例では情報交信）を取り入れた分析を提示しようとするものである。今年度は以上の知見を研究成果を国内学会へは邦語で発表するとともに、植民地期アフリカの民間企業の活動の史的分析として英語で執筆する予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、予定していた社会経済史学会第88会全国大会における成果発表を行い、これまでアジア・アフリカ・ラテンアメリカの工業化研究として論じられてきたモデルにイギリス帝国史等からの議論を喚起することを目的としている。それにあたり、申請者は昨年予定よりも多く現地調査を実施しまとまった分量の資料収集をすることができた。とくに、現地資料として価値あるものとして、農業雑誌South African Fruits Growerを15年分閲覧し、南ア本国に電信で伝えられたロンドンでの青果取引の様相や積荷の出港記録を集められたことが研究状況を大きく進歩させた。
他方で、昨年度やり残した点としては下記の課題が挙げられる。
1. イギリス本国での青果市場システムの概要の把握
2. オーストラリア、ニュージーランドのFed-farmsに関する社史の収集
3. イギリス本国市場におけるリーディング価格の時系列データの収集
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度は、上記にあげた3つの課題をイギリスにおける資料調査で補足しつつ、南アでも継続して調査を進める。オーストラリア、ニュージーランドのFed-Farmsに関しては、イギリスでの資料収集をもとに明らかにする予定である。
また、アフリカの民間企業の活動を「制度」という側面から評価するには、Fed-Farmsによって現地農場に海底電信で伝えられた情報の精度を測ることが有用である。申請者はイギリスで今後集める価格情報と南ア現地での価格情報の照合をもとに、輸出主導型産業の形成期に「輸出インフラ」として設立されたFed-Farmsの意義を論じたい。
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Research Products
(3 results)
