2018 Fiscal Year Annual Research Report
Quantitative analysis and management of R&D project using magnetic physical model
Project/Area Number |
18H05696
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
林田 英樹 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任教授 (40795168)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 研究開発マネジメント / 定量・定性解析 / モデルシミュレーション / 自然言語処理 / 機械学習 / ネットワーク分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開発プロジェクトの状態は、さまざまな要因による相関相互作用の合計であると考え、磁性物理モデルを応用した6次元モデルでの、研究開発プロジェクトの定量的解析と効果的なマネジメントに関する研究を行っている。モデルの普遍化・精緻化が一つの課題である。特に従来、同一企業または、同一産業内ということで、研究開発プロジェクトの外的環境は同じということで、外部環境に関しての考慮を除外してきた。 昨年度はモデルの精緻化にフォーカスし、研究開発プロジェクトの外部環境に着目し、複数の企業組織のコンソーシアム型で行う実用技術の研究開発プロジェクトにおいて、それぞれ独立した価値観と思惑を持つ組織がバリューチェーンを構築する。そのため、それらのプロジェクトのバリューチェーンはネットワーク構造となる。「ネットワーク型バリューチェーンに基づくコンソーシアムプロジェクトに成果がある」という仮説をNEDOプロジェクトのアンケート結果で検証した。ノード数4以上の複数コンソーシアム型プロジェクトのバリューチェーンをネットワーク分析し、その結果における上市プロジェクト群と中止プロジェクト群の差の検定をおこなった。その結果は中止プロジェクトではスター型の傾向が高く、上市プロジェクトではネットワーク型の傾向が高い結果となり、それが上市と中止を分ける特徴であることが統計的に検証されたといえる。 また、モデルは、定量的および定性的の2つの部分から構成されています。既にNEDOプロジェクトにおける研究開発プロジェクトの成功と失敗を特定の分野で検証し、それらを区別することができていた。これに加えて、定性的部分に焦点を当て、テキストマイニングによる簡単な定性分析を分析し、その内容に適したものを見つけました。その結果、テキストマイニングによる定量的データ分析に基づく新たな知見を従来の評価方法に追加できる可能性があることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開発プロジェクトの外部環境を理解するため、複数の企業組織のコンソーシアム型で行う実用技術の研究開発プロジェクトの解析を試みた。コンソーシアム型プロジェクトではそれぞれ独立した価値観と思惑を持つ組織がバリューチェーンを構築する。そのため、それらのプロジェクトのバリューチェーンはネットワーク構造となる。 コンソーシアム型プロジェクトの上市と中止プロジェクトでは、ネットワーク構造が異なると考えられ、「スター型ネットワーク型バリューチェーンに基づくコンソーシアムプロジェクトの成果に課題があり、ネットワーク型バリューチェーンに基づくコンソーシアムプロジェクトに成果がある」を検証するため。NEDOプロジェクトのアンケート結果をネットワーク分析することで検証した。ノード数4以上複数コンソーシアム型プロジェクトのバリューチェーンをネットワーク分析し、その結果における上市プロジェクト群と中止プロジェクト群の差の検定をおこなった。その結果は中止プロジェクトではスター型の傾向が高く、上市プロジェクトではネットワーク型の傾向が高い結果となり、それが上市と中止を分ける特徴であることが統計的に検証されたといえる。この結果はデータから実証したとも言える。 また、磁性物理モデルを応用した6次元モデルは、定量的および定性的の2つの部分から構成されています。既にNEDOプロジェクトにおける研究開発プロジェクトの成功と失敗を特定の分野で検証し、それらを区別することができていた。これに加えて、定性的部分に焦点を当て、テキストマイニングによる簡単な定性分析を分析し、その内容に適したものを見つけました。その結果、テキストマイニングによる定量的データ分析に基づく新たな知見を従来の評価方法に追加できる可能性があることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
人工知能における統計的機械学習やネットワーク分析といった手法を用いての解析を組み合わせる事で研究開発プロジェクトの状態を6次元モデルで可視化できると考えている。 本年度は、企業内の個々の研究開発プロジェクトに焦点をあてて、6次元モデルを使って典型的な研究開発プロジェクトの上市と中止のパターン分類とフィードバックとしての改善点のフレームを作成することとしたい。このフレームを構築するために、実際に企業内での事業化に成功したプロジェクト、事業化に失敗したプロジェクトに対して、プロジェクトリーダー等に直接インタビューすることで、フレームワークの有効性を再確認し、インタビューの内容を自然言語処理することで、キーとなる用語を抽出することで、現在定性分析に使用する質問票の200項目にわたる質問項目の減縮を行うこととする。 また、特定事例での考察として、成功事例のネットワーク構造から、可視化された個々の企業内プロジェクトの状態を比較し、どのような外部の影響があるのかを、既に実施したインタビューから考察を行いたい。1) インタビューの結果が、過去に概説された成功要因と一般的な方向性と一致しているかを確認する。2) 磁性物理モデルシュミレーションの結果との適合性を解析する。3) 特定事例から得られた考察結果を複数の企業が参加するコンソーシアム型の研究開発プロジェクトに応用し、その適合性を解析する。 このことにより、研究開発マネジメントに於いてある程度実用的なレベルを達成することができると期待する。
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Remarks |
教員HP:http://web.tuat.ac.jp/~hideki-hayashida/
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