2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K20904
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
原口 純一 神奈川大学, 経済学部, 助教 (40827929)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 民営化政策 / 寡占市場 / 公企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
寡占市場において私企業間の生産性の違いが競争に与える効果が民営化政策に与える影響について、私企業間の非対称性の程度を表すパラメータを明示的に導入し分析を行った。社会余剰を最大化する公企業の民営化の程度を最適な民営化政策と定義し、生産性の差が民営化政策に与える効果を議論した。結果として、私企業間の非対称性の程度が増加すると、最適な民営化の程度を大きくなる場合と、非単調に変化する場合があることを示した。こうした結果により、市場における競争の強度と民営化政策の関係について新た知見を得た。こうした結果は査読付きの国際的な学術誌に発表された。 寡占市場における競争環境の変化が民営化政策に与える影響については以下の二つの分析をおこなった。 (i)企業の参入の影響について分析を行った。公企業が独占する市場に私企業が参入するような状況を考え、参入が民営化に与える影響や民営化が競争に与える影響を議論した。結果として、企業の参入費用に依存して、私企業が全く参入しないか、私企業が参入し、公企業が完全に民営化されるという2つの状況が達成しうることを示した。 (ii)企業間の無償の技術移転の影響について分析を行った。公企業と国内私企業と国外私企業が存在する状況において、私企業間の無償の技術移転と民営化政策の関係を議論した。結果として政府が将来的に公企業の民営化を企図しているような状況においては、国外私企業から国内私企業への無償の技術移転が行われることを示した。また、仮に技術に使用料を課すことができるとしても、場合によってはそれを課さないことがあることも示した。 こうした結果はそれぞれ査読付きの国際的な学術誌に発表された。
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