2018 Fiscal Year Annual Research Report
消費者のカスタマイズ製品の構築における複雑性の解明
Project/Area Number |
18H05708
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
日下 恭輔 北陸大学, 経済経営学部, 助教 (50826659)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 消費者行動論 / 製品のカスタマイズ / 複雑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,消費者がカスタマイズ・サービスを通じて,自身の好みに応じた製品を構築するときに認識される複雑性がなぜ,そして,どのような要因によって,もたらされるのかを明らかにするために実施する。従来の研究では,複雑性をもたらす要因として,カスタマイズ可能なモジュールの数の多さが検討されてきたものの,一致した検証結果は得られていない。そこで,本研究では,モジュール間の関係性を要因として捉え,複雑性への影響を検討する。具体的には,消費者が認識するモジュール同士のトレードオフの影響を検証する。 今年度は,文献調査を通じた分析モデルの構築と予備的な分析を並行して行った。前者について,カスタマイズ製品を構築するときの意思決定プロセスに関する研究を整理し,通常の製品を購買するときの意思決定プロセスとの比較を通じて,問題となるトレードオフの検討を行った。後者について,消費者のカスタマイズ・サービス利用意向に関する分析を行った。この結果,消費者の認識する属性の組み合わせにより,利用意向が高くはならないケースがあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の計画は,仮説検証のための1回目のデータ収集まで終了する予定だった。ところが,文献調査および予備的な分析の過程で,カスタマイズ製品を構築する前の消費者の認識が構築する時点に影響を与える可能性が示唆された。この結果を受けて,2019年3月に,当初検討していた分析モデルの再構築する判断を下した。そのため,データ収集のスケジュールを繰り下げることになることになり,データ収集にかかる費用分を次年度へ繰り越す必要性が生じた。以上から,現在の進捗状況を「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,①予備的な分析の完了,②分析モデルの再構築,③データ収集と分析を実施する。①について,分析結果をまとめ,投稿論文とする。②について,①の分析結果および追加的な文献調査を通じて,分析モデルのアップデートを図る。③について,分析モデルに応じ,インターネット上におけるカスタマイズ・サービスという観点からデータを収集し,分析を実施する。進捗に応じて,学会報告を行い,研究に関するフィードバックを得る。
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