2019 Fiscal Year Research-status Report
Community effort and influence on post-fire rebuilding in Northern California
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19K20911
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
落合 知帆 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (80582022)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 災害復興 / 住民参加 / カリフォルニア州 / 大火 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①組織形成過程、②個人の住宅再建過程、③行政支援・意思決定、④被災経験の記録と継承とし、イーストベイ火災や他の災害事例と比較しなが ら、地域性、災害特性、社会特性と、「市民の力」との関係性を明らかにすることを目的としている。 本年度は、①組織形成過程および③行政支援・意思決定を把握すべく、これまでに発行されている書籍や論文等の収集および内容の確認、情報の精査を行い、ナパおよびサンタローザを中心に数か所で発生した火災の状況と住民対応を把握した。カリフォルニア州では、調査対象とした火災に加えて、他地域でも火災が頻発しており、関連書籍の出版が頻繁に行われている。このため、調査対象地は変更しないものの、これら他地域での事例も参考に分析を行うため、書籍や論文の収集および分析を行った。 また、ウエブサイト上に掲載されいている代表的な支援団体を選定し、その活動方針、報告および長期間におよぶ支援の変化に関する情報収集を行った。当災害に関連する支援組織は規模、活動内容、活動時期も多様であり、地域住民の特性(特に人種)を反映した活動も確認することが出来た。 加えて、日本からアクセス可能な地方新聞に掲載されているニース記事を検索し、当時の状況を時系列に整理する作業を行った。1991年と2017年双方の事例は共に9月に発生しており、この時期の関連記事および記事内容の変化を把握した。2017年の事例に関しては④被災経験の記録と継承は、現代の状況を反映しての個人メディアを介したものが主体となっている状況を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、病気が発覚し治療に専念する必要があったため、現地調査を実施することが出来ず、主に文献調査を行った。 さらに、2020年2月-3月にかけてコロナウィルスの感染拡大を理由に、現地調査を予定していたが実施することが出来なかった。これらに事情により、現地でのフィールドワークによる情報収集や聞き取り調査に遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は主に文献調査を実施した。今後はこれまで収集した資料の分析を行うと共に、地域住民、被災者、および行政関係者を対象とした聞き取り調査を実施し、その実態や個別の事例を収集し分析する予定である。 また、これまでに聞き取り調査を実施した地域住民とウエブメールを介してのコミュニケーションや追加の状況確認を行う。さらに、現地調査にて現地の住宅再建の状況、行政の対応・政策、地域住民の状況等の経年変化を把握を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
病気の為の入院・手術および療養期間が必要であった。また、コロナウィルスによる渡航制限があったため。 未使用金1,000,000円、繰越金1,000,000円
昨年度実施予定の文献分析、現地調査、論文の執筆・投稿を行う予定である。
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