2018 Fiscal Year Annual Research Report
都市シリア難民障害者のADL向上を援助できる現地リハビリテーション専門職者の育成
Project/Area Number |
18H05716
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 清治 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (70828904)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | シリア難民障害者 / 日常生活動作 / リハビリテーション専門職 |
Outline of Annual Research Achievements |
2011年から継続するシリア紛争は現在も継続しており、隣国ヨルダンには多くの難民が都市に居住し、その28%は何らかの障害を有すると報告されている。本研究では、ヨルダン都市居住シリア難民障害者支援に従事するリハビリテーション専門職の人材育成が目的である。本年度10月よりヨルダンの首都アンマンでシリア難民障害者支援に従事する支援団体からオンラインで研究の協力依頼と支援活動状況について情報収集を行い、2019年1月4日から13日の期間で,現地支援団体に従事するリハビリテーション専門職から半構造化面接で都市居住シリア難民障害者の健康状態、支援状況とその課題についてのデータ収集を実施した。 その結果、現地支援団体が支援対象とする都市難民障害者は廃用症候群やヘルスケアサービスアクセスの困難が起因した健康状態の悪化を現地リハビリテーション専門職が認識しており、財源や社会資源の不足によるリハビリテーションの提供が制限されていると現地リハビリテーション専門職は認識していた。かかる状況下で現地リハビリテーション専門職は機能障害の改善や移動動作の訓練などを通所型リハビリテーションや訪問型リハビリテーション、義肢装具の提供を都市に居住するシリア難民障害者に提供していた。しかし今後の展開として廃用症候群予防や環境調整、日常生活動作への介入についての必要性の認識は不足していた。2019年1月のデータ収集後、研究代表者は継続比較法とSCAT分析で都市在住シリア難民障害者支援に従事するリハビリテーション専門職の課題について考察し構造的に整理を行なっている。また都市在住シリア難民障害者の日常生活動作向上と社会参加について支援できるリハビリテーション専門職の育成に向けて来年度実施する研修会の準備を進めてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況として、当初の研究計画である都市在住シリア難民障害者の健康状態と現地リハビリテーション専門職の支援活動内容及びその課題、今後の展開についてのデータ収集が現地支援団体の研究協力のもと予定通り遂行できている。本年度までに神戸大学大学院保健学研究科で課題分析を行い、2019年度に実施する研修会の講義準備は完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年4月22日から25日(4日間)と2019年6月27日から29日(3日間)の期間に2回都市シリア難民障害者支援に従事する現地リハビリテーション専門職への研修会を実施する予定である。第一回目の研修会では2018年度に調査を行なったリハビリテーション専門職の課題について共有し、障害者の日常生活動作や環境調整、エンパワメントについて世界保健機構が提唱するCommunity Based Rehabilitation(CBR)をもとに研修を展開する予定である。第二回目の研修会では、現地リハビリテーション専門職と協働のワークショップで職業能力の構造に基づくカリキュラム開発手法(CUDBAS)を活用してアクションプランを構築する予定である。その後3ヶ月間の期間で構築プランを現地リハビリテーション専門職が実施し、その有効性を評価する。
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