2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Learning of Patient's Sleep Rhythm and Care Support Mechanism for Reducing Caregiver Burden
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18H05725
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
高原 まどか 同志社大学, 研究開発推進機構, 助手 (40823000)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 在宅介護支援 / 睡眠 / 情報共有 / 相互受容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,個人の睡眠リズムの学習機構の構築と,それに基づき介護環境を支援することで,要介護者に自己の状態についての気づきと,適度な距離感で“人とのつながり” を保持しながら支援者との相互受容を促すことで,介護者の負担を減らし,要介護者および介護者双方の睡眠問題を改善する仕組みの構築を目的とする.具体的には,要介護者らに対して個人の睡眠リズムに基づいた適切なアドバイス等を行い,介護者・要介護者の睡眠状態の向上のための主導的な行動変容を促し,要介護者らの情報を支援者と共有し適度な距離感で適切な支援を受けることで,要介護者と介護者双方の睡眠問題を改善することを検討する.この仕組みの実現のために,以下の3つの課題に取り組む. ①ユーザ個々の睡眠リズムの学習機構の構築 ②要介護者らの睡眠支援および行動変容のための仕組みづくり ③要介護者ら・支援者間での支援環境作りのための情報共有の仕組み作り 2018年度は,会話制御の仕組みの構築の第一歩として,Google Homeを用いて,合成音声と被験者の身近な人の肉声による発話が,被験者の心身にどのような影響を与えるかを検証・比較し,肉声による発話がfeedbackの手法として有効であるかを検証した.実験の結果から,主観評価により,被験者の身近な人の肉声による発話は被験者に受け入れられやすく,被験者のパートナーとの関係性を変化させたと評価できた.また,客観評価として.合成音声と肉声の発話の実験期間中の被験者の睡眠点数を比較して,肉声の発話の実験期間中に睡眠点数が向上したことから,被験者の親しい間柄の人物の肉声による発話が,睡眠の質の向上を促したことから,今後,長期的な実験を行い,被験者が各音声に慣れていくと,今回の実験とは違った結果が得られると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年は,本提案研究の3つの課題のうちの1つである,会話制御の仕組みの構築の第一歩として,Google Homeを用いて,合成音声と被験者の身近な人の肉声による発話が,被験者の心身にどのような影響を与えるかを検証・比較し,肉声による発話がfeedbackの手法として有効であるかを検証した. また,情報共有の仕組みとして,Webアプリケーションのベースは構築済みであるので,本研究の3つの課題のうち,2課題に進捗があることから,本研究はおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年は本研究の在宅介護における高齢者の睡眠を正しく評価するために,2019年度初めの半年間は,Stanford大学睡眠研究所にて,半年間在外研究を遂行すると共に,個人の睡眠特性を反映した睡眠アルゴリズムの構築を行う. また,前年の課題を踏まえ,高齢の要介護者・介護者を対象とするためには,発話内容・速度・回数にも考慮し,システムの改良を行った後,2019年上旬に追加実験を行う.そして,2019年後半から,実際に在宅介護を行っている高齢者宅での実験を開始する.
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