2019 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of leopards (Panthera pardus) conservation model in Kenya - diverse relationship between leopard and people under different environment-
Project/Area Number |
19K20925
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山根 裕美 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 特任研究員 (80830140)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ケニア / アフリカヒョウ / 軋轢緩和 / 保全生態学 / GPS首輪 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケニア全土における、アフリカヒョウについて、異なる環境下で「人とヒョウの関わり」について、調査・研究を進めてきました。「観光地」「過疎地」におけるヒョウの観察に加えて、観光客にとっては人気動物であるヒョウが、一方で、害獣となっている状況が深刻化していることから、「害獣」となったヒョウの捕獲を試みました。2019年度は、3頭のヒョウを捕獲しGPS首輪を装着することに成功しました。3頭はいずれも、「人と野生動物の軋轢緩和」の一環として、ケニア野生生物公社と協働して現在も継続して観察しています。3頭は、地域住民の家畜を襲ったことから、住民のヒョウに対するマイナス感情が高まったことからGPSを装着し、モニタリングを行うことになりました。一度家畜を襲ったヒョウは、今後も襲う可能性が高いので、1.今まで生息していた地域から離れた場所(200km以上を推奨)に再導入。2.その際にGPS首輪を装着することで、その行動を観察。3.GPSの位置情報の一部を地域住民と共有し、軋轢緩和対策として有効利用することが可能となります。GPS首輪を装着し、生息していた地域から離れたところに人為的に移動させることによって、他のヒョウとの直接的な接触を避けて新しいテリトリーを開拓しなければなりません。捕獲した3頭について、それぞれの環境における適応過程を観察し、評価することで再導入計画や害獣対策のために重要なデータを提供することが可能となります。 2019年は、センサーカメラを使用したヒョウの個体識別および個体数推定と、GPS首輪の装着による行動観察を実施しました。ヒョウの捕獲は困難を伴い、予定していたマサイ・マラ・エコシステムでは、2019年度中に捕獲することが出来ませんでしたが、本年度も引続き捕獲を試みます。首輪を装着したヒョウについては、今後も継続してデータを取得しモニタリングを実施していきます。
|