2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Experience of Family Process in Childhood
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19K20927
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
高橋 康史 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 講師 (60824711)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 子ども時代の逆境的体験 / ドリフト / 脱家族 / アイデンティティ / 青少年福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、社会的養護の外側にいる子どもに対するオルタナティヴなケアモデルの構築を目指して、昨年度に引き続き次の3つの作業を行った。 第1に、家族崩壊を経験した子どもの生活過程を捉えるための理論としての逆境的体験を捉える文献検討である。本年度は、子どもの家族崩壊に関する国内外の先行研究を批判的に検討することによって子どもの家族崩壊・逆境的体験に関する研究の限界、専門職の実践をめぐる課題と限界について精査した。第2に、社会的養護の外側にいる子どもへのインタビュー調査をもとにした質的研究である。具体的には、子ども時代に家庭崩壊を経験しながらも、社会的養護(社会的支援)を得ず、生活を維持した者への半構造化面接形式によってインタビュー調査を実施した。本年度は、新たに16名に対するインタビュー調査を実施した。第3に、諸外国における制度政策の検討を通した制度研究である。具体的には、日本と異なる「家族観」のもと社会的養護の先駆的な取り組みを行う韓国・ソウル特別市を事例に、フィールド調査を行なった。教育福祉および少年司法の領域において家出やマイノリティに関する課題へのアプローチを視野に入れた青少年福祉システムの構築に注目し、実務家および当事者12名に対する聞き取りも行った。 以上を踏まえ、社会的養護の外側にいる子どものケアのあり方を、子ども時代に逆境的体験(虐待・家族の機能不全)をした者自身が用いるサバイバル ・ストラテジー(逆境的体験それ自体とそこから派生する生活問題に対する生存戦略)という観点から検討する必要性を導き出した。
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Research Products
(5 results)