2018 Fiscal Year Annual Research Report
地域特性に応じた介護保険事業の運営に関する研究:高齢化率と高齢人口密度の視点から
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18H05731
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
金 吾燮 東京福祉大学, 留学生教育センター, 特任講師 (80822759)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 介護保険事業 / 要介護認定率 / 高齢化率 / 高齢者人口密度 |
Outline of Annual Research Achievements |
介護保険事業の経年的分析および保険者へのアンケートを基に、各自治体における平均要介護度や要介護認定率の改善について、介護保険事業の運営の特徴を明らかにする。特に、高齢化率と高齢者人口密度による分類したグループごとに、要介護(支援)認定率および平均要介護度の改善率が高い介護保険者を選定し、介護保険事業の担当者への半構造化インタビュー調査および介護保険事業計画の内容分析を行い、効率的な介護保険事業の促進要因と阻害要因を分析している。調査結果として、まず、2018年の介護保険者へのアンケート調査で、2015年に行った調査と比較することで、経年的変化の分析した。その結果は、日本地域福祉学会2018年度公開研究フォーラムに発表した。その内容は、介護保険者の財政状況は相変わらず厳しいことや、医療と介護の連携が進んでいる傾向がみられたこと、介護サービスの不足・充足に地域差があることであった。また、インタビュー調査では、現在、過疎地2箇所の市町村介護保険者の調査に留まっているが、過疎地では都心部に比べ高齢化が約5年早い現状で、高齢となった人が前期高齢者で元気であることから、自然に要介護(支援)認定率・平均要介護度が低くなり、政策面での効果を測定できない事情があった。これは、過疎地の分析において、データの誤解を招くが、過疎地の地域特性を表す貴重な特徴である。また、政策面での改善要因として、要支援者を新しい総合事業へ移行し、要介護認定率の改善および要介護度のバランスの改善を達成した介護保険者があり、その内容を分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
介護保険者である市町村において、年末年始及び年度末など、忙しい時期とインタビュー日程が重なり、インタビュー日程を2018年から2019年度に調整せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在研究対象のうち、比較的にアクセスしにくい過疎地域(第5クラスター)のインタビューを行っている。過疎地では高齢化が都心部に比べ約5年早い傾向や健康状態による認定率・平均要介護度が低くなる現状から、分析対象の選定において、人口構造も分析項目に加え、より精密な対象選定になるよう努めていく。この内容で分析対象を新しく選別し、政策面での効果を測定できる事例を探索していく。今後は、第6クラスターの調査を進み、大都市部(第1・2・3クラスター)の調査に進んで行きたい。
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