2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the risk scale of aging in place for the elderly with dementia who live alone
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18H05735
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
中島 民恵子 日本福祉大学, 福祉経営学部, 准教授 (70503085)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 認知症 / 独居 / 在宅生活継続 / リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
在宅生活継続を阻害するリスクの明確化のために、先行研究レビューおよびインタビュー調査を行った。先行研究レビューでは、データベース「医中誌」と「CiNii」を用いた。検索用語は“認知症”and“高齢者”and“独居or一人暮らし”とし、論文のタイトルまたは抄録にこれらの用語が含まれている文献を対象とした。文献の多くが事例検討を中心とした報告であった。主なリスクとして、道に迷うや小火等の「生命の安全確保の危機」、服薬管理や排泄時の失敗等の「セルフマネジメント力の低下」、フォーマルケアの拒否や近隣住民とのトラブル等の「ソーシャルサポートの不足・困難さ」等があげられていた。本分析の結果に関して、抄録が既に採択されており、2019年5月に開催される学会で発表予定である。 インタビュー調査では、独居認知症高齢者に対するケアマネジメントを現在もしくは1年以内に経験している居宅の介護支援専門員9名(5都府県)を対象に行った。支援経験のある独居認知症高齢者のうち、施設等の移行があった、もしくは現在、移行の可能性があるが在宅継続に向けた支援を続けている事例の詳細と介護支援専門員のこれまでの支援の経験を踏まえた独居認知症高齢者の在宅生活継続を阻む事柄や課題について把握した。逐語録の分析を通して在宅生活継続を阻む事柄や課題を検討した。先行研究レビューであげられた内容と重なる部分が多かったが、公共料金等の滞納や訪問販売の被害等の金銭面での困難さ、協力が得られる家族が居ないことによる諸手続きの困難さ、もの忘れによるサービス提供時の本人不在によるサービス継続性の困難さ、ペットの世話等もあげられていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた、先行研究レビューおよびインタビュー調査は実施することができた。一方、インタビュー調査の対象者決定が想定していたより時間を要したことで、予定していた予備調査が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は「独居認知症高齢者在宅生活継続リスク尺度」の開発および信頼性と妥当性の検証を行うために、前半に予備調査、後半に本調査を実施する。 予備調査の実施(リスク尺度の項目案の構成概念妥当性の検証)では、①オンライン調査会社のモニタリング対象者に関して、質問紙調査の実施、②データ回収後、データのクリーニングを行った上で、データセットを作成、③統計解析ソフトを用いて、構成概念妥当性の検証を行った上で、リスク尺度の修正版を作成する予定である。 本調査の実施(リスク尺度の項目案の外的基準を用いた基準関連妥当性の検証)では、①全国の介護支援専門員を対象に郵送にて質問紙調査の実施、②調査結果の入力、データクリーニングを行った上で 、データセットを作成、③調査結果の分析および報告書の作成統計解析ソフトを用いて、外的基準を用いた基準関連妥当性を検証する予定である。
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