2019 Fiscal Year Research-status Report
独居認知症高齢者の在宅生活継続のリスク尺度に関する研究
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19K20932
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
中島 民恵子 日本福祉大学, 福祉経営学部, 准教授 (70503085)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知症 / 独居 / 在宅生活支援 / リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度実施した文献調査および居宅介護支援専門員に対するインタビュー調査結果を踏まえて、独居認知症高齢者の在宅生活継続を阻害するリスクに基づいたリスク尺度を構成する項目を含む調査票を作成した。リスク尺度項目はADL・IADL低下によって生じるリスク項目、認知機能低下に伴うリスク項目、行動症状によって生じるリスク項目、ソーシャルサポート(近隣、家族など)の不足によって生じるリスク項目、生活環境の制約によって生じるリスク項目を中心に、29項目で構成した。 倫理審査委員会の承認後、オンライン調査会社が持つパネルネットワークの中から、居宅介護支援専門員の資格を保有し、現在の勤務先業種が医療・福祉関係であるモニタリング対象者400人を対象に、オンライン上で調査を実施した。調査項目は、調査対象者の基本属性(性別、年齢、雇用形態、ケアマネジャーとしての通算経験年数、保有資格等)、該当する利用者における独居認知症高齢者の在宅生活継続に関するリスクの状況、独居認知症高齢者のケアマネジメントスキルである。 在宅継続が困難となった独居認知症高齢者の支援経験がある回答者は345人(86.3%)であった。本調査はリスク尺度の項目の構成概念妥当性の検証を行うための予備調査調査と位置付けており、345事例の調査結果について探索的因子分析を行い、抽出された因子の意味を精査した上でリスク尺度項目を改めて修正する予定である。修正したリスク尺度項目を用いて、2020年度に本調査実施を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初予定していた「独居認知症高齢者在宅継続リスク尺度」の開発ための予備調査は実施することができた。一方、研究代表者の業務の多忙に加え、夫の海外での単身赴任延長に伴う子の養育および実父の病気の看病のため、予定していた本調査(リスク尺度の項目案の外的基準を用いた基準関連妥当性の検証)が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本調査(リスク尺度の項目案の外的基準を用いた基準関連妥当性の検証)では、①全国の介護支援専門員を対象に郵送にて質問紙調査の実施、②調査結果 の入力、データクリーニングを行った上で、データセットを作成、③調査結果の分析および報告書の作成統計解析ソフトを用いて、外的基準を用いた基準関連妥 当性を検証する予定である。ただし、新型コロナウィルスの影響を踏まえて調査時期は慎重に判断する必要があると認識している。
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Causes of Carryover |
2019年度に「独居認知症高齢者在宅継続リスク尺度」の開発ための本調査(リスク尺度の項目案の外的基準を用いた基準関連妥当性の検証)が実施できなかったため、2020年度に実施予定である。全国の介護支援専門員(2,000人)を対象に郵送にて質問紙調査の実施する予定のため、調査の調査票印刷費、封筒等の物品費、郵送費、データ入力費に使用する予定としている。
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