2019 Fiscal Year Annual Research Report
読むことにおける理解の深化に資するフィードバックを核とした教育評価に関する研究
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19K20950
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Elisabeth University of Music |
Principal Investigator |
高瀬 裕人 エリザベト音楽大学, 音楽学部, 講師 (30823083)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 読むこと / 理解 / 理解方略 / 理解の成果 / フィードバック / 形成的評価 / 継続的評価 / 国語科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国語科の「読むこと」の学習指導における学習者の理解の深化に資する教育評価法の開発を目的として、日米の文献を対象とした調査と、小学校での授業観察をもとに検討を進めてきた。これらの検討を踏まえ、以下の4つのことを明らかにすることができた。 1つ目として、「読むこと」の学習指導における継続的な形成的評価と効果的なフィードバックが、学習者を読むことへ誘うとともに、さらなる読むことを促していくうえで重要な役割を担っているということ。 2つ目として、「読むこと」の学習指導の中で、学習者の理解の深化に資する効果的な教育評価を実行していくためには、(1)「理解方略」と「理解の成果」を観点とした教師の見取り、(2)教師の見取りと学習者の実感をすり合わせて、規準を共有していく対話の場、(3)対話の場における教師からのフィードバックとしての適時適切な言葉がけ、が必要であるということ。 3つ目として、「読むこと」の学習指導において理解の深化を促すために用いられるフィードバックには、「指示する」「方向づけ直す」「質問する」「称賛する」「少し言葉を示して発言を促す」といった多様な機能をもった言葉がけがあるということ。 4つ目として、学習者との対話の場において、教師が上記の機能をもった言葉がけを柔軟に、そして学習者一人ひとりに応じて用いていくことにより、学習者にとって有意味なフィードバックとして機能し、読者として成長していくことも促されることになるということ。 以上の4つの成果を踏まえ、学習者の理解の深化に資する効果的な「読むこと」の教育評価法のひとつのモデルを構想することができた。
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