2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K20955
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
徳島 祐彌 兵庫教育大学, その他部局等, 助教 (00819443)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 体育 / アメリカ / カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(1)シーデントップの体育思想に関する検討(前年度から継続)、(2)ムーブメント教育のカリキュラムに関する検討、(3)「スタンダードに基づく体育」等、アメリカにおける体育カリキュラム検討の視点の考察、(4)日本における体育の評価(体育の指導要録)に関する検討を行った。以下、それぞれの概要を示す。 (1)シーデントップの体育思想について、思想的背景とカリキュラム論の関係、ならびにヒューマニスティック体育との関係に着目して検討した。特に、ヘリソンとの相違点を検討することにより、人間観や体育の捉え方におけるシーデントップの立場を明らかにした。 (2)ムーブメント教育のカリキュラムについて、グラハムらの「スキル・テーマ」によるカリキュラムを中心に検討した。特に、知識や技能に偏重するという課題があるムーブメント教育において、ホイールを用いたカリキュラムが提案されていること、技能と概念から運動・スポーツを創造する活動が設定されていること、スキルを短期間で扱う年間指導計画が示されていることが特徴として挙げられる。 (3)これまでの研究をまとめつつ、アメリカにおける体育カリキュラムを検討する視点として、思想的背景(原理)とカリキュラム設計の理論、そして単元や授業レベルの目標や活動という3つの視点で検討することが重要であることを見出した。これは、カリキュラム・モデルの使用や、「スタンダードに基づく体育」を検討する上でも重要であると考えられる。この視点から「スタンダードに基づく体育」を検討し、思想的背景が弱まっていることや、カリキュラム設計においてスタンダードを問い直す原理が不十分であることを確認した。 (4)指導要録の改訂に際して、体育における評価の在り方について検討した。知識・技能と思考・判断・表現を分離させることなく、共に育てることが重要であることを指摘した。
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