2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Historical Study on the Biology Education of American High School in the Early 20th Century
Project/Area Number |
18H05778
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
日高 翼 帝塚山大学, 教育学部, 講師 (40821525)
|
Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
Keywords | アメリカ / ハイスクール / 歴史的変遷 / 生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,20世紀初頭のアメリカ合衆国(以後アメリカと記す)のハイスクールにおける教科としての「生物学」の変遷プロセスを明らかにし,その変化のファクターを当時の教育状況や学術的発達等,様々な背景に基づき解釈することを目的としている。 本研究課題について,2018年度は具体的に以下の手順で研究を進めてきた。 (1)20世紀初頭のアメリカのハイスクールにおける「生物学」に関する設置率・履修率等に関する正確な情報を集めるため,19世紀から現代に至るまでの関連する各種報告書や研究論文・書籍等を広く収集し,その中からデータを徹底的に洗い出し,当時の「生物学」のハイスクールへの設置状況を精査した。 (2)当時のハイスクールで生徒や教師が実際に使用していた「生物学」の教科書や実習書を可能な限り多く入手し,入手できた教科書の中から,各時代において人気の高かったものや典型的なものを選び出し,その構成や学習内容等を,特に先行研究で議論が不十分であったヒトの身体の扱いに焦点を当てて分析を行い,それらの特質を明らかにした。ここで,19世紀末の前駆的教科の状況の再検討および19世紀の「生物学」との関連性等の観点からも,結果の妥当性を検証した。その際,19世紀末の前駆的教科のうち,特に「動物学」において新たなデータが得られたことから,当初想定していた変遷プロセスの修正を行う必要性が生じた。しかし,結果的として,20世紀「生物学」について,より高い精度で特質を捉えることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「生物学」の前駆的教科との関連について検討していた際,予期しえなかった新たな史料が発見され,そのために歴史的展開の再吟味を行うため,19世紀「動物学」に関する追加の調査が必要となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究の成果を学会発表や論文等の形で公表を行うとともに,研究計画にもとづき,得られた「生物学」の特質について様々な方面から十分な検討を行い,教科変遷プロセスを明確にしていく。
|
Research Products
(2 results)