2018 Fiscal Year Annual Research Report
自律型水中ロボット教材によるSTEM教育活動の教育効果測定
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18H05783
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山縣 広和 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (90826265)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | STEM教育 / 水中ロボット / 工学教育 / 教育評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
18年度の予定は,19年度の教育効果の検証を目的として,量産体制の確立と教育者による事前評価を行う予定であった. しかし,教材としての完成度を上げる必要が生じた.よって,量産の前準備として,教材のハードウェアの構造見直し,電子回路の改善,検証スケジュール,検証方法の決定を先に行った.ハードウェアは内部に電子部品を増設するにあたって信頼性を増すために,主にパッキンの構造を見直すことで防水性を向上した.電子回路は学習者のPDCAサイクルを高速に行わさせることを可能にするために,陸上からもデバックができるような構造とするべく,当初と異なる電子回路の構造に変更した.また,大会運営と調整を行うことで,本研究を19年度の大会内容として正式に開催することとし,それに合わせて検証方法となる大会ルールの設定を行った. 当初の予定では,画像処理による缶の回収が目的であったが,機体の特性から目標となる対象を追尾撮影する形に変更した.現在配布用の部品の大半が揃っており,マニュアルを作成の後に参加者に配布する予定である. 当初の予定にあった教育者による評価は,現在一部実施している.現時点で機体を動かす環境構築などに疑問が生じやすいことが判明している.これは,マニュアルの改善などによって解決することが可能であると見られる.教育者による評価は19年度以降,順次拡充していく予定である. その他,評価を行うにあたって教材の動きを記録する必要があるために,水中撮影が可能な360度カメラの選定を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハードウェアの改善やルールの調整があったことから,当初の予定より若干の遅延が見られる.教育者による評価も現状遅れつつ進行しており,規模やスケジュールについては変更の必要が見られるが当初予定した評価はすべての項目を行うことが可能と見られる. 最も重要な,今年度夏の教育評価を行うスケジュールも射程圏にあり,併催するロボコン内での正式な競技として導入が決まったことからも協力を受けられる状況となった. よって,十分に当初の予定を完了可能な状況にり,概ね順調であると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
現状行っている教員による評価作業を並列しつつ,学生による評価を行うキットの配布準備を進める.これによって,発生している作業遅延を改善する. 6月以降をめどにキットの配布を行い,7月以降は各参加校と連絡をとって進捗状況の把握に努める.8月末に最終評価を終了し,10月をめどにデータの評価に移行する予定である.評価方法の一部は筆者が行っていた既往の研究と同一のもので行うことで,従来の力学のみの学習を目的とした教材と比較して力学的部分に同様の効果が存在するかを確認する.ソフトウェアに関連した学習の効果については,記述をベースとした思考の確認を主眼において評価を行う.
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