2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Teacher's Perception of Learning about Collaborative Learning
Project/Area Number |
18H05792
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
児玉 佳一 大東文化大学, 文学部, 講師 (30824776)
|
Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
Keywords | グループ学習 / 教師 / 学習ニーズ / 学習環境 / 質問紙調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,教師が協働学習(とりわけグループ学習)について教師自身が学ぶことに対してどのような認識を保持しているかを明らかにすることである。本年度は,「1.グループ学習に対してどのような側面について学びたいと考えているか(学習ニーズ)」,「2.グループ学習に対する学習ニーズと動機づけ要因や学習環境要因,個人の経験はどのように関連するか」を明らかにするために,全国の小学校および中学校教師753名(小学校国語200名,小学校算数200名,中学校国語153名,中学校数学200名)に対してオンライン調査を行った。本研究のサンプルサイズは効果量の信頼区間から800名(各群200名)を計画した。 分析の結果,第1に教科および学校種において,協働学習に関して学びたいと考える事項(学習ニーズ)や,関連して協働学習に関して不安に感じる事項に差異が示された。一方で教科や学年に共通する特徴として,どの事項においても理論的中央値以上の得点が示されていること,また,Evaluating(評価)について特に不安を感じていることが示された。これらの結果は,協働学習に対してある程度の学習関心があり,特に評価の面で不安や学習ニーズがあることを表している。 第2に,協働学習について学びたい事項と,動機づけや協働学習に対するイメージなどの心理的要因や教職歴や協働学習の実施歴といった個人の経験,学習環境などの環境要因との間に関連が示された。特に、個人の経歴や環境的要因の主効果はほとんど示されず,心理的要因との交互作用の中で関連が示される傾向にあった。これらの結果は,学習ニーズに対しては教師個々人の経験や教師が置かれている環境が学習ニーズを規定されるのではなく,教師自身がもつ動機づけや協働学習イメージとの関係性の中で規定されることを示している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,グループ学習に対して教師の学習ニーズを捉える質問紙調査が実行できたため,おおむね順調の進展していると判断した。ただし,予定したサンプルサイズにはまだ到達していないため,本年度も継続してオンライン調査を行う。 また,インタビュー調査で焦点化していくべき課題についてもオンライン調査を通して捉えることができた。インタビュー調査を進展していくにあたっての基礎知見が得られたという意味でも,おおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
オンライン調査の結果について分析を進めると共に,当初予定していたサンプルサイズに到達するようにさらに追加調査を行う予定である。また,分析結果については学会発表および論文化していく。現時点で3つの学会発表がすでに予定されている。 インタビュー調査については,協力者との日程が合い次第,順次実行していく予定である。
|
Research Products
(9 results)