2019 Fiscal Year Annual Research Report
小学校におけるプログラミング学習の実施方法と効果に関する研究
Project/Area Number |
19K20989
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
山田 啓次 大阪産業大学, 全学教育機構, 准教授 (70630599)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | プログラミング学習 / コンピュータ活用意欲 / 学習形態 / 小学校教員の導入不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2020年度より小学校で完全実施されるプログラミング教育について、その効果を高めるための実施方法を明らかにすることを目的としている。実験方法としては各実験授業において環境や処遇を変更し、実験授業前後のプログラミング的思考力を比較した。このためにはプログラミング的思考力の評価法を確立する必要がある。具体的な評価法として、自動機器(例えば自動販売機等)の故障事例を示し、被験者(児童)がどのような推測を行うかを評価基準とした。さらにアイデア発想に関する記述式の質問を行い自由発想させた解答を創造物意味尺度で測定した。 具体的な環境や処遇の差は、学習形態として①3名1グループでの学習、②個人での学習という2形態を設定した。また学習時間では①3時間1回で完結するプログラムと②2時間5回(総時数10時間)で完結するプログラムを比較することとした。2019年9月から11月にかけて2校の小学校でこれらの実験を実施し、知識・思考力における効果と意思・情動に関する効果の二側面から知見を得られた。また、指導にあったった教員らの感想から実際の指導に対する問題点に関する知見も得られた。 併せてプログラミング教育の実施者となる小学校教員に対し、質問紙による調査を実施(3市79名)、プログラミングの授業の不安を測定するとともに授業者のスキルについても言及した。調査結果からは小学校教員の9割がプログラミング自体を体験したことがなく大きな不安を抱えており、大きなストレスとなっている。本研究では児童対象の実験を実施する前に教員対象の研修を実施、不安除去に関する知見も得られた。 教員の不安に関する成果は2018年12月に日本応用教育心理学会で報告し、学習形態の差による学習効果の比較については2019年3月に日本産業技術教育学会で報告した他、大阪産業大学論集に投稿し6月に掲載予定である。
|
Research Products
(2 results)