2018 Fiscal Year Annual Research Report
社交不安におけるコルチゾール反応の回復を促進する心理学的方略の効果検討
Project/Area Number |
18H05801
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前田 駿太 東北大学, 教育学研究科, 助教 (30823603)
|
Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
Keywords | 社交不安 / コルチゾール / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,社交場面に対して生じる生理的ストレス反応(コルチゾール反応)の回復の阻害と関連する思考様式である,社交場面についての回顧的思考(Post-event processing;PEP)を低減する心理学的方略がコルチゾール反応の回復に及ぼす影響を検討することを目的としている。この目的の達成のために,今年度は予備的研究として,(a)PEPを測定する質問紙尺度の作成,(b)PEPに拮抗する心理学的方略であるディストラクション方略の効果の実験研究による検討,(c)次年度に実施予定のセルフ・コンパッション方略の効果の検討のための予備実験,を実施した。まず,(a)について,海外で標準化されているPEPの測定尺度であるPost-Event Processing Inventory(PEPI)を作成者の許可を得て邦訳し,その尺度特性の検討を行った。社交不安症の臨床群に相当する者を含むサンプルを対象としたWebベースの調査の結果,日本語版PEPIは,おおむね原版と同様の尺度特性を示し,適切にPEPへの従事の程度が測定可能であると判断された。当該の研究成果は次年度に学会発表予定であり,国際学術雑誌に投稿予定である。次に,(b)について,大学生を対象とした実験を実施した結果,社交不安の程度が比較的低い者においては,ディストラクション方略は社交場面経験後のコルチゾール反応の回復を促進したが,社交不安の程度が比較的高い者においてはこのような効果はみられなかった。当該の研究成果は国際学術雑誌に投稿予定である。そして(c)について,実験設備を整備するとともに実験のプロトコルを作成した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,次年度の実験実施のための予備的研究,および実施の準備が整えられたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は今年度準備を行った実験を実施してデータを取得する。そして,取得が完了し次第,データ解析および論文執筆を行ない,次年度内に論文投稿を完了することを目指す。
|