2019 Fiscal Year Research-status Report
注意制御機構の認知神経科学的研究:課題非関連情報の能動的な抑制
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19K21005
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
川島 朋也 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 研究員 (70825851)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 視覚的注意 / 抑制 / 事象関連電位 / 脳波 / 視覚探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、2018年度に行った脳波計測実験の結果を解析し、得られた成果を日本心理学会第83回大会で発表した。この課題では、実験参加者に課題に関連する手がかり(注目手がかり)または関連しない手がかり(無視手がかり)を呈示し、視覚探索課題を行っているあいだの脳波を計測した。注意選択の指標となるN2pc成分と抑制の指標となるPd成分を解析の対象とした。無視すべき項目によって誘発されるこれらの成分の条件間の振幅値を比較した。その結果、無視手がかりが呈示され、参加者が事前に無視する特徴を知っているときに、抑制の指標であるPd成分の増大が見られただけでなく、選択の指標であるN2pc成分が観察されなかった。これらの結果は、無視手がかりを使って能動的に妨害刺激を抑制できることを示唆するものと考えられる。なお、現在、これらの成果の投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2018年度に実施した脳波計測実験の知見をもとに実験パラダイムの吟味を行い、さらなる心理学実験と脳機能計測を行う予定であった。しかし研究代表者の異動にともない、研究環境の構築に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の異動にともない、使用できる脳機能計測機器が変わり、それをもとに当初の研究計画の変更ならびに改善を行った。2020年度は、この計画をもとに心理実験や脳機能計測を行い、視覚的注意の制御機構の解明を進展させる。
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Causes of Carryover |
2019年度に、2018年度に実施した脳波計測実験の知見をもとに実験パラダイムの吟味を行い、さらなる心理学実験と脳機能計測を行う予定であった。しかし、研究代表者が所属機関を異動し、研究環境の構築に時間を要した。特に使用できる脳機能計測機器が変わり、それにともない当初の研究計画を変更した。このため、心理学実験と脳機能計測、ならびにその解析を2020年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(1 results)