2019 Fiscal Year Research-status Report
性暴力被害者の被害実態の分析および性暴力被害者に特有な二次被害に関する調査
Project/Area Number |
19K21007
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
淺野 敬子 武蔵野大学, 人間科学部, 助教 (40823414)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 性暴力被害 / 二次被害 / ワンストップ支援センター / PTSD |
Outline of Annual Research Achievements |
被害者の支援ニーズに合わせた切れ目のない支援を行うためには、支援者および専門家は性暴力被害者の実態に即した介入を効果的に行うことが必要である。また、刑事司法や医療機関にかかわる機会が多い性暴力被害者に対しては、それらの専門家が二次被害を与えることなく介入を行うことが被害者の精神健康の回復において重要であると考えられる。 研究者はこれまで都内ワンストップ支援センターから紹介を受けた性暴力被害者のカルテ調査を行ってきた。これまでの調査により、支援センター経由で精神科を受診した性暴力被害者は、心的外傷後ストレス障害(以下、PTSD)および急性ストレス障害のり患率が高く、アルコール摂取時の被害、再被害が少なくないことや、被害後早期に精神科へつながるとPTSDからの回復が早まることが示唆された。令和元年度は性暴力被害者のカルテより情報を収集してデータ入力を行った。分析対象者は70名となり、データ分析を行った。分析結果の一部について報告するため、2020年5月(延期が決定)に行われる第19回日本トラウマティック・ストレス学会のシンポジウム企画に応募し採択された。 性暴力被害者に特有な二次被害に関する研究(インタビュー調査)は、研究計画および倫理審査申請書類を作成し、インタビュー実施のための準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者のその他業務が多忙であったこと等により研究に割く時間が限られたため研究全体の推進が遅れている。 合わせて、新型コロナウィルス拡大防止に伴い研究推進に影響が出ている。一つにはテレワーク実施により分析に必要な統計ソフトが使用できずデータ分析が中断している。また、性暴力被害者へのインタビュー調査については、感染拡大防止のため調査対象者のリクルート実施や対面によるインタビュー実施が見通せない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
性暴力被害者の被害実態調査(カルテ調査)は、研究者らが平成24年から行ってきた研究を継続して行うものである。データ分析を行い学会発表および論文化のための準備を行う。また、本研究に関する最新の知見を得るため、学会に参加するとともに、文献収集および文献レビューを今年度も継続して行う。 性暴力被害者に特有な二次被害に関する研究は、インタビュー調査の実施に向けて準備を進めるものの、令和2年度では実施が困難であることが想定されるため、文献調査を中心に実施する計画である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、研究代表者のその他業務が多忙であったことおよび家庭の事情により研究に割く時間が限られたことにより、計画通りに研究が推進できなかったためである。 令和2年度は、カルテ調査のデータ分析補助のための人件費、学会・研修会等へ参加するための旅費交通費、書籍等の物品購入費として使用する計画である。
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